作家の創作活動には行き詰まりがつきものです。ペンシルバニア州立情報科学技術大学の研究チームは、書いている続きからストーリーのヒントを生成してくれるAIツールで、ライターズブロック克服を支援します。
文章生成AIといえば、突拍子はないけど具体的なストーリーを展開するイメージがあるかもしれません。研究チームによる挑戦は、“創造的な執筆活動を完全に自動化するのは不可能”との限界を認めつつ、AIの有用性を高めようとするものです。
ストーリー作成のヒントになるワードクラウドを生成研究チームによるモデルでは、執筆中のストーリーの発展を予測するために、概念と関連知識の集合、「セマンティックフレーム」を用います。
これまでのストーリーをもとに、10文、100文、1000文といった固定数の文章単位で計算を行い、この後に発生し得るセマンティックフレームを予測。最終的に、人間に理解できるワードクラウドに変換し、一連のストーリー作成のヒントを提供します。
研究チームは、5000近くのフィクション本のデータセットでモデルをテストし、ツールの効果を測定しました。
ノンフィクションでも機能さらには、約8000の学術論文でもテストして、フィクションだけでなくノンフィクションでもモデルが機能する可能性を示しています。
研究チームは、以前開発したクラウドソーシングプラットフォームにモデルを組み込む計画。これにより、作家はオンライン上の人々からストーリーのアイデアが得られるようになります。
研究チームは、5万語以上の小説執筆を支援するツールの開発を目指したとのことで、同ツールは作家にとっての実用的なソリューションとなりそうです。
参照元:New tool could help authors bust writer's block in novel-length works/ Penn State News
(文・山田洋路)