日本でいう「お巡りさん」のような役割を、シンガポールでは将来ロボットが担うことになるかもしれません。
同国の繁華街で、ロボットが自律的に動いて公共の場での不適切な行為を取り締まる実験が始まりました。
周囲360度をウォッチ「Xavier(ザビエル)」と命名されたロボットは四輪で動くロボットです。カメラやセンサーを備え、自律的に障害物を避けながら走行し、周囲360度をとらえることが可能です。
Xavierがとらえた映像は司令センターに送られ、政府機関の職員が開発したAIを用いたシステムでリアルタイムに分析されます。そして違反行為があれば、センターに常駐する職員に注意喚起をおこない、職員が現場にいるXavierのスクリーンにメッセージを表示してルールを守るよう啓発するという仕組みです。
コロナ対策で密な集まりも注意Xavierの「持ち場」は、繁華街のトア・パヨー地区。禁煙エリアでの喫煙や違法な行商、さらには新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、5人以上の密な集まりなども取り締まります。
そのほか、不適切な駐輪や、モーターで動くモビリティデバイスの歩道走行も監視対象とのことです。
9月5日から始まった今回の試験の目的は、マンパワー使用の抑制と監視効率の向上で、3週間にわたって展開されます。シンガポール政府は将来的にロボットをサービス向上にいかす方針で、近い将来、街のいたるところでXavierを見かけるようになるかもしれません。
Singapore Home Team Science and Technology Agency
(文・Mizoguchi)