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凸版印刷の空中タッチディスプレイの改良モデル登場! 視野角・映像の明瞭度などを改善

Techable 2021年9月16日 8時0分

凸版印刷株式会社は、2020年10月に非接触で操作可能な空中タッチディスプレイを開発。同年12月からサンプル品の提供を開始し、2022年の本格提供開始に向けて有用性の検証を進めてきました。

そしてこのたび、視野角や画質などを大幅に改善した改良モデルを開発。2022年8月竣工予定の複合施設「東京ミッドタウン八重洲」に採用され、オフィスフロア各階のエレベーターホールに設置予定です。

初代モデルの特徴

これまでにも、何もない空間に画像を浮かび上がらせ、センサーによって指の動きを検知する製品はありましたが、奥行きを必要とする構造のため、設置場所と使用用途が限定されるという課題があったようです。また、生成される空中画像は暗く不鮮明で、いくつもの像が見える「ゴースト像」という現象も発生していました。

そんな課題をクリアしたのが初代の空中タッチディスプレイ。同社独自の光学設計技術と構造設計技術を活用し、液晶パネルと平行に空中映像を表示することに成功しました。これにより、パネルに対して画像が約90度に出現する従来品と比べて50%の薄型化と、より直感的な操作を実現しています。

また、独自の高透過率TFT液晶技術などにより、従来品に対して約5倍の輝度(同社比)を持ち、「ゴースト像」の少ない鮮明な空中映像の生成に成功しました。

視野角・画質・消費電力を改善

そんな空中タッチディスプレイがさらにアップデート。

前モデルでは、ディスプレイの覗き見を防止するために、空中映像の視野角を正面以外の場所からは視認できないよう左右各15度ずつに制限していました。今回は、その左右15度という視野角は維持し、上下方向を各15度ずつから各30度ずつに倍増。これにより、エレベーターホールなど実際の活用シーンでは、身長の高い人から子どもまで幅広い層が快適に空中映像を視認できるようになりました。

また、独自の新方式光学設計技術によって、空中映像の解像感と明瞭度、光の利用効率も改善。これにより、明るい環境での視認性が向上し、快適な操作を実現するとともに、従来モデルと比べて消費電力量を約50%低減できるようです。

もともと省スペースという特徴のある製品ですが、消費電力を抑えることで機器からの発熱量も低減されるため、放熱経路の確保など組み込み時の設計上の制約が緩和され、さらに設備のデザインの自由度が高まるといわれています。

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(文・Higuchi)

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