PCコンテンツを大画面で映したいと思ったら、大型のディスプレイを用意するか、はたまたプロジェクターを外付けするか……。いずれもハードルは高く、場所が限られるのも難点です。
ならばいっそのこと、PCの中にプロジェクターを仕込んでしまうなんて、いかがでしょう。「Aipc」は、そんな発想を形にしたプロダクトです。
23型のタッチスクリーンを持ち歩くAipcは本体にプロジェクターを内蔵する「接写型」のWindows PC。机の上に置けば、23型相当のデスクトップを投影します。
おまけに筐体は長辺約20.9cm、厚さ5cm弱とコンパクトで、持ち運びもできるのが魅力。OSはWindows 10 Homeで、CPUはIntel Pentium N4200、4GBのメモリー、64GBまたは128GBのストレージ(eMMC)を搭載。その他無線LANやBluetooth、マイクにスピーカー、カメラなどの基本的な仕様を備えています。
また、HDMI出力やUSBポートなど、必要なインターフェースも揃っています。
短焦点のプロジェクターは色再現性に優れたDLPパネルを採用しており、200ルーメンの柔らかな光が画面をくっきりと映し出してくれるため、ある程度周辺環境が明るくても問題なく使用可能。
解像度は1280×720のHD画質で、入力信号は3840×2160ドットまで対応します。机に限らず、壁や天井など平面にならどこでも投影可能で、上手く距離を調整すれば60〜80インチ級の大画面を映すことも。ただしHD解像度なので、無闇に大きくするとディティールがぼやけてしまい、操作が難しくなる印象です。
タッチスクリーンで書き込みも
これだけでは、ただのプロジェクターのようにも思えますが、AIpcは投影された画面のタッチ操作にも対応しています。これを可能にするのは本体内蔵の赤外線センサーで、10点マルチタッチ対応によりピンチやスワイプ、タッチによるクリックなど、様々なジェスチャーを認識するのです。
例えばボードゲームをタッチ操作で楽しんだり、ピアノの鍵盤を映し出して演奏したり。スタイラスペンで会議のメモをとる、イラストを描くといったユニークな使い方もできます。
実際に使ってみると、プレゼンなどを想定した簡易的な操作はできるものの、アプリ内のアイコンをクリックしたりブラウザの検索窓に手書きで入力するなどの細かい動作では誤入力もしばしば。
タッチ操作の精度が気になる場合は、キーボードやマウスを接続して作業性を高めるのも良いでしょう。少なくとも、Aipc一つ鞄に入れておけば、場所を問わず大画面のデスクトップで作業ができるのは大きな魅力と言えそうです。
Aipcは現在、クラウドファンディングサイトMakuakeにて応援購入を受付中。プロジェクトは11月15日まで実施予定で、2022年2月の出荷を予定しています。
Makuake
(文・九条ハル)