Infoseek 楽天

AIが楽曲の印象を解析する、音楽ダッシュボードサービス「ongabox」β版

Techable 2021年9月30日 11時0分

オンガラボ株式会社は、コンピュータが楽曲を聴いて自動解析・理解する「音楽理解技術」に関する研究開発と応用展開に取り組むスタートアップ企業。クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役の伊藤博之氏を代表取締役、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 首席研究員の後藤真孝氏を取締役CTOとして、音楽文化・音楽産業の発展に資する事業を展開しています。

同社は、音楽レーベル向けにAIを活用した音楽ダッシュボードサービス「ongabox(オンガボックス)」β版を開発。これにより、効果的な楽曲のプロモーションや効率的な管理をサポートしていくとのことです。

印象の近い曲を探して、プレイリストを作成

「ongabox」は、楽曲同士の印象(曲調や雰囲気)の近さを自動解析できるAIを活用し、音楽の検索・発見・管理を効率よく行うためのサービス。利用にあたり音楽レーベルはまず、「ongabox」に自社の楽曲カタログ(音源ファイル、メタデータ)を登録します。登録した楽曲は、自社の楽曲カタログとして一元管理され、「ダッシュボード機能」でテキストによる曲名・アーティスト名検索が可能です。

特徴的なのは、「音楽印象検索機能」。これは、ある楽曲を指定して検索すると、楽曲カタログの中から指定曲に近い印象の楽曲を自動検索し、一覧表示できる機能です。また、動画共有サービスに投稿されている楽曲や視聴ランキング上位の楽曲を指定し、同様に一覧表示することもできます。ちなみに、この検索機能は、産業技術総合研究所の「類似楽曲検索技術」を活用して実現しているとのこと。

同サービスのもうひとつの注目機能が「プレイリスト制作支援機能」です。これは、「音楽印象検索機能」で見つけた楽曲をプレイリストに追加して編集できるというもの。プロモーション用のプレイリストを「ongabox」上で直接制作することが可能になります。

開発背景と今後の展開

近年、音楽の流通はグローバル規模に拡大し、音楽レーベルやアーティストは国内外のリスナーにいかに楽曲を届けるかということを重視しているようです。また、松原みきさんが1979年にリリースした『真夜中のドア〜Stay With Me』が2020年にグローバルヒットしたことなどをみても、過去の楽曲が「今」再びヒットする可能性は十分に考えられます。

しかし、音楽レーベルやアーティストが膨大な楽曲を人間の記憶力だけを頼りにプロモーションしたり管理したりすることは困難と言えるでしょう。こうした背景から、「ongabox」が開発されたというわけです。

「ongabox」は、2021年9月29日よりクローズドβ版を利用して、使い勝手や機能についてフィードバックを出せる音楽レーベルを募集中。今後はそれらのフィードバックを踏まえて性能の向上と新たな機能追加を進め、正式リリースを目指すとのことです。

PR TIMES
オンガラボ株式会社

(文・Higuchi)

この記事の関連ニュース