北海道上士幌町のイノベーションチャレンジ実行委員会と株式会社karch、セイノーホールディングス株式会社、株式会社エアロネクスト、経済産業省北海道経済産業局は、ドローンを活用した複数の実証実験を実施しています。今回の実証は、2021年8月に上士幌町がエアロネクストなどと締結した「持続的な未来のまちづくり」に関する包括連携協定に基づくもの。
ドリンクとステーキをドローン配送10月6日(水)に公開されたひとつ目の実証実験は、ナイタイ高原牧場におけるドローンを活用した観光商品開発デモ飛行です。広さ約1,700ヘクタール、東京ドーム358個分の面積を誇る日本一広い公設牧場のナイタイ高原牧場。ここで、ドローンを活用した新たな観光商品開発の実証実験を実施したとのこと。
札幌市のアウトドア衣料・用品店である「コルソ札幌」協力監修のもと、ナイタイテラス内にグランピング特設サイトを設え、利用者がオーダーしたドリンクと、十勝ナイタイ和牛ステーキを麓からドローンで配送。
主催したkarch社の担当者は「上士幌の食や大自然とテクノロジーが融合した他にはない唯一な観光体験、ナイタイ高原牧場での特別な過ごし方を演出する観光商品として将来的に実施を検討してまいります」と話しています。
注文して2分後には着陸2つ目は、日本初の次世代高度技術活用におけるドローン宅配(個宅への買物代行ドローン配送)実証です。町市街地から離れた農村地域に住む交通弱者への買物支援を想定し、食料品をドローンで個宅へ配送する実証実験を実施。
イノベーションチャレンジ実行委員会が主催したこの実験は、廃校となった小学校に地元スーパーの荷物を一時在庫したうえで、その中から注文のあった商品を購入者の自宅の敷地内にドローンで直接配送したとのこと。
上音更地区に住むあるユーザーは、自身のタブレットからあらかじめ用意された地元スーパーの食料品の詰め合わせを注文できるアプリを活用し、「ごはんセット」を注文。なんと、約2分後には自宅前にドローンが着陸し、注文者の手に届けられたといいます。
牛の検体をドローン配送さらに、10月7日(木)~10日(日)には、日本初の牛の検体のドローン配送を実施。牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送をテーマに、温度管理・振動・ドローン配送と陸上輸送との連携・配送後の検査品質評価等の一連の実証を行い、配送等の課題の多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証するといいます。
今回の複数の実証実験の内容は、今後実際に上士幌町において実用化を目指した取組みとのこと。4者は今後もそれぞれが持つ資源を有効に活用しながら、上士幌町における「持続的な未来のまちづくり」を目指します。
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(文・Takeuchi)