クラウド側ではなく、エッジ側に学習モデルを置き、エッジ端末で予測を実行するAIが、エッジAI。そのメリットとしては、リアルタイム性を確保できる点が挙げられるでしょう。
しかし、データの学習はクラウドで行うため、クラウドにデータを上げなくてはならないこと、クラウドで生成した学習モデルをエッジ側に置く際に通信が必要となるため、学習から予測までを完結してリアルタイムに実行できないことなどが課題でした。
そんなエッジAIの課題を解決するのが、株式会社エイシングが開発するエッジAIアルゴリズム「MST(メモリー・セービング・ツリー)」。このたび、「CEATEC AWARD 2021」においてグランプリを受賞しています。
学習から予測まで実行するエッジAI「MST」は、多くの既存マイコンに実装可能な超省メモリなエッジAIアルゴリズム。一般的なエッジAIと一線を画すのは、エッジ端末側で予測だけではなく学習までも実行できるという点でしょう。
これは、同社独自のAIソリューション「AiiR(AI in Real-time)」の有する逐次・リアルタイム学習の機能によるものです。これにより、未学習領域を追加学習し、外部環境の変化や経年劣化による精度低下を防ぎます。
「MST」を搭載したエッジ端末は、短時間(μ~m秒オーダー)かつ一定速度で動作可能。予測精度は一般的な学習器と同等以上とも言われています。
「CEATEC AWARD 2021」でグランプリ獲得そんな「MST」が、「CEATEC AWARD 2021」において「スタートアップ・ユニバーシティ部門賞グランプリ」を受賞。エイシングは、2021年10月19日~22日で開催している「CEATEC 2021 ONLINE」にて、「MST」を紹介しています。
選出にあたり、「MST」は産業用をはじめ個体差補正など多岐にわたる分野で応用可能なテクノロジーであること、エンドポイントAIを具現化する技術であり、国内産業にとってブレイクスルーが必要な技術課題を解決するソリューションとしてすでに実用技術となっていることなどが評価されたようです。
ちなみに、準グランプリは、水上作業の自動化を実現する、炎重工株式会社の純国産水上ドローン「Marine Drone」でした。
PR TIMES
株式会社エイシング(1)(2)
「CEATEC AWARD 2021」
(文・Higuchi)