凸版印刷株式会社は、高野山真言宗総本山金剛峯寺の協力のもと、高野山の二大聖地のひとつである壇上伽藍(だんじょうがらん)を、デジタルアーカイブとVRを用いて高精細に再現したVRコンテンツ「高野山 壇上伽藍―地上の曼荼羅―」を開発。2021年11月3日~28日の期間、高野山デジタルミュージアム内のVRシアターにて公開します。
500倍以上の拡大が可能!凸版印刷は、重要文化財「両部大曼荼羅(りょうぶだいまんだらず)」の復元再生プロジェクトとして制作した「想定色平成再生版曼荼羅図」を2015年7月に金剛峯寺へ奉納しました。その制作時に取得したデジタルデータと、今回新たに取得した壇上伽藍全体の空間と建造物などのデジタルデータを用いて開発されたのがVRコンテンツ「高野山 壇上伽藍―地上の曼荼羅―」です。
このたびのVRコンテンツ開発では、かつてない規模と範囲の三次元形状計測や高精細デジタル撮影を実施。金箔や漆などの異なる素材については、独自の記録手法と表現技術を組み合わせてリアルに再現しています。体験者は、自由に巡回しながら仏像などを好きな角度から鑑賞したり、緻密に描かれた数多くの仏の姿を面積比で500倍以上に拡大して鑑賞したりと、VRならではの鑑賞体験ができるようです。
加えて、空海が唐より持ち帰った曼荼羅と壇上伽藍の関係を解説するなど、リアルな拝観とはまた違う切り口で壇上伽藍を体感することができるコンテンツとなっています。
凸版の文化財VRへの取り組み凸版印刷は、1997年より「トッパンVR」の開発に取り組み、国内外の貴重な文化財・世界遺産をテーマとしたVR作品を多数製作してきました。
直近では、栂尾山高山寺が所蔵する国宝「鳥獣戯画」を鑑賞するVR作品「鳥獣戯画 超入門!」や、法隆寺の国宝「金堂」をVR化した「法隆寺 国宝 金堂―聖徳太子のこころ」、空海が構想した密教彫刻「立体曼荼羅」を再現した「空海 祈りの形」などを制作。また、帝国ホテル旧本館「ライト館」のVRコンテンツも制作するなど、近代建築のVR化も展開しています。
同社が開発したVR作品は、東京国立博物館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」や、熊本城観光交流施設内の「熊本城ミュージアム わくわく座」など国内外20か所以上の文化施設・観光施設に開設したVRシアターなどで公開。最近では、オンラインとの同時公開なども実施しています。
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(文・Higuchi)