カナダ・オンタリオ州に位置するウォータールー大学の研究によると、アスリートはアクションビデオゲーマーと比較して優れた動体視力を持っていることがわかりました。
アスリートとeスポーツゲーマー常に最高のパフォーマンスを発揮することを目指すアスリートにとって、強力な動体視力を持つことは重要なポイントです。「サッカー、フットボール、野球など、特に動きの激しいスポーツに携わるアスリートは、一般人よりも動体視力のテストで高いスコアを獲得することがよくあります」と、同大学のKristine Dalton博士は話します。
同氏が率いる研究チームは、そんなアスリートと、eスポーツに特化したゲーマーの能力を比較したいと考えました。eスポーツのゲーマーは、ダイナミックでペースの速いビデオ環境で長時間集中してプレイします。昨今、eスポーツで賞金を得るプロゲーマーが台頭してきたことを鑑みると、「仮想空間上でのアスリート」と捉えることもできるかもしれません。
そこで同氏は、「eスポーツゲーマーもアスリートと同じような高い動体視力を持っているのではないか」と推測し、実験を行いました。
動体視力はアスリートに軍配ウォータールー大学は、特別にデザインされた動体視力検査を両方のグループに実施。アスリートはたぐいまれな動体視力を発揮したのに対して、eスポーツゲーマーは比較的一般人に近い結果を出したようです。
「究極的に、アスリートはより小さい物の動きを敏感に捉える能力を持っていることがわかりました。つまり、ビデオゲーマーとアスリートの間には画像処理能力に明確な差があることを示しています」と同大学のAlan Yee氏はコメント。
今回の実験による発見は、今後アスリート向けにコンピュータビジョンを活用したトレーニングを実施したいと考える組織にとって有用な例になるかもしれません。
Dalton氏は「私たちの調査結果は、3D環境でのトレーニングにはまだメリットがあることを示しています。より強力な視覚スキルを身に付けたいと考えているアスリートにとって、物理的なトレーニングはまだまだ必要なのかもしれません」と話しました。
Physical athletes’ visual skills prove sharper than action video game players
(文・Takeuchi)