アメリカ国立電波天文台の研究チームは、地球から約128億8000万光年離れた銀河で水の兆候を発見したと発表しました。
H20および一酸化炭素を発見今回、アメリカ国立電波天文台の研究チームによりはるか遠い銀河で発見されたのは、H20および一酸化炭素。これらの2つの分子が豊富に検出されたことは、元素が宇宙初期の惑星で誕生した直後に強くなったことを示唆しているといいます。また、今回H20と一酸化炭素が発見された銀河は、約7億8000万年前の宇宙(現在の年齢の約5%)で、最初の星と銀河が生まれたときに誕生したものと考えられています。
「宇宙で最初に形成された銀河を研究することは、科学者が宇宙の誕生、成長、進化、そして太陽系や地球を含む宇宙のすべてをよりよく理解するのに役立ちます」と、今回の研究の主任研究員であり、イリノイ大学の天文学者でもあるSreevani Jarugula氏は話します。
「初期の銀河は天の川の数千倍の速度で星を形成しています。これらの初期の銀河のガスとちりの含有量を調べると、形成されている星の数やどのガスが星に変換されるか、銀河同士が互いにどのように作用するのか、銀河と星間物質がどのように相互作用するのかなどを理解することができるのです」と同氏はコメント。
ガスとちりの研究へJarugula氏によると、「初期の宇宙」の銀河について学ぶことはまだまだ残っているそうです。 今回の研究では、宇宙のどこに、どれだけ遠くに水が存在するのかについて答えを提供する一方で、同時に大きな疑問が生じたといいます。
Jarugula氏が率いる研究チームが新たに直面した疑問とは、「宇宙が誕生した非常に早い段階で、どのように多くのガスとちりが集まって星や銀河を形成したのか」ということ。その答えを知るためには、銀河の星形成についてさらに研究し、初期の宇宙の構造形成と進化について理解を深める必要があるようです。
「地球上の生命にとって重要な分子は、とにかく早い段階で形成されているに違いありません。これらを仔細に観察することで、従来とは大きく異なる宇宙への洞察を得ることができるのではないか」と同氏は話しています。
ALMA Scientists Detect Signs of Water in a Galaxy Far, Far Away
(文・Takeuchi)