あまりに高性能な文章生成モデル「GPT-3」は、2020年5月のリリース以来、悪用のリスクなどから限られた開発者しか利用できませんでした。このほど開発元のOpenAIは、安全性が整ったことを理由にAPIのウェイティングリストを解除し、GPT-3を開放しています。
現在、誰もがコンテンツの生成やCodexによるコードの自動生成などが利用できるようになっています。ただし、悪用防止のためのルールに従う必要があります。
政治的なコンテンツなどで利用不可APIの公開にこぎつけるにあたってOpenAIは、さまざまな安全対策を施してきました。利用可能なコンテンツのカテゴリを明記したコンテンツガイドラインや、これを遵守するためのコンテンツフィルターを用意。開発したアプリはリリース前にOpenAIによるレビューが必要で、このプロセスを経なければAPIキーが取り消されることになっています。
ちなみにコンテンツガイドラインによれば、ヘイトやアダルト、スパムやマルウェア以外にも、政治的なコンテンツなども現時点では利用不可となっています。またユースケースごとに承認の見込みが示されていて、たとえばカスタマーサポートで収集した短文を要約する用途などでは、おおむね承認されるようです。一方、エンドユーザーが希望する文章を要約する用途では、安全でないコンテンツを生成する可能性があるため、承認はケースバイケースとのことです。
安全性確保のためのシステムを継続的に強化OpenAIは、コンテンツフィルターなどの安全対策ツールの提供やレビュー以外にも、モニタリングや開発サポートを通してGPT-3の悪用を防ぐ意向を示しています。
コンテンツフィルターの堅ろう化などシステムの改善に伴い、より柔軟に利用が承認されるようになるとのことで、GPT-3の生成した文章を目にする機会が増えそうです。
参照元:OpenAI’s API Now Available with No Waitlist/ Open AI
(文・山田洋路)