ミズーリ大学とシカゴ大学の研究チームは、人間の指示なしに行動できる「メタマテリアル」と呼ばれるArtificial Material(人工材料)を開発しました。
まるでカメレオンや松ぼっくりのよう「メタマテリアル」が動作する仕組みは、コンピューターチップを使用して要求されたアクションの情報処理をコントロールし、次に電力を使用して、そのエネルギーを機械的エネルギーに変換するというもの。自然界に存在する材料が示す3つの主要な機能「感覚・情報処理・動作(運動)」が組み込まれています。
このような機能が自然界で見られるわかりやすい例としては、カメレオンや松ぼっくりが挙げられるでしょう。カメレオンは昆虫をとらえる際に素早い反応をしたり、皮膚の色を変えて周囲に溶け込んだりすることができます。一方、松ぼっくりは空気の湿度の変化に応じて形が変化するなどの特徴があります。
航空宇宙産業にも適用できるそれでは「メタマテリアル」は、どのような場面で活用できるのでしょうか。
例えば、配達用ドローンの場合、風向きや風速など周囲の環境を分析しながら、安全に配達を完了するために自動でコースを変更することができます。
また、「メタマテリアル」を航空機などに取り付けることで、航空宇宙産業のステルス技術に応用できる可能性もあるようです。ミズーリ大学のGuoliang Huang教授は、「エンジンの振動など、航空機から発生する騒音を制御および低減するのに役立ち、様々な機能を向上させることができます」とコメント。
同研究チームは、今後この人工材料をさまざまな現場で活用できるように引き続き研究を続けていくとしています。
Creating an artificial material that can sense, adapt to its environment
(文・Takeuchi)