国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、KDDI株式会社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(パーソルP&T)は、全国13地域で計52機のドローンを同時に飛行させ運航管理を行う実証実験を実施しました。
同実験は、NEDOが推進する「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」(以下、同事業)の一環であり、複数のドローンを制御し安全に飛行させる運航管理システムの有効性を検証する、レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を見据えた取り組みです。
2022年1月にガイドライン作成予定NEDOは、同事業において、先行開発した運航管理機能を実環境で実証する研究開発として、2020年12月にKDDIとパーソルP&Tの提案を採択。2021年3月に、宮城県・兵庫県・三重県の3地域で計9機のドローンの飛行状況を運航管理システムで収集する先行実証を実施しました。
そして公募によって採択された10地域を加えて、2021年10月27日に実証実験を実施。KDDIの東京都虎ノ門のオフィス内に設置したドローン運航管理室から、全国13地域・計52機のドローンの運行管理を行いました。結果、運航管理システムが機能・オペレーションの両面から全国で運用可能であり、複数のドローンが飛び交う上空で衝突回避などの管理業務を行えることを確認したとのことです。
今後3者は、同実験の成果をもとに、運航管理システムの社会実装や持続可能なビジネスモデルの確立に向けたガイドラインの作成を進める方針(2022年1月に作成予定)。その後、作成したガイドラインを活用し、業界の発展や課題解決に向けたルールづくりを進め、レベル4環境下でドローンが安全に飛び交う社会の実現を目指します。
各地域のニーズを捉えたユースケースを想定同実験は、気候や地形などが異なる地域にて、地域ごとに監視・点検・物流など具体的なユースケースを想定して実施されました。
実証地域は、北海道稚内市、宮城県仙台市、福島県南相馬市、石川県白山市、岐阜県美濃加茂市、静岡県富士市、三重県志摩市、兵庫県洲本市・姫路市・赤穂郡上郡町、高知県高岡郡四万十町、長崎県五島市・対馬市、大分県杵築市、宮崎県東臼杵郡美郷町の15エリア。石川県白山市と長崎県対馬市は11月初旬に実証を実施したため、このたびの発表では13エリアでの実証に成功したと報告されています。
各エリアには、それぞれ地域が抱える課題などを踏まえたユースケースが想定されました。例えば、稚内市では医薬品配送や海獣・密漁の監視、南相馬市や志摩市では災害時の情報収集や物資輸送、五島市では二次離島への食料品配送や海ごみ調査、杵築市や東臼杵郡美郷町では農作物観察や農薬散布などが実施されています。
こうして今回の実証では、各地域の抱えるさまざまなニーズとドローンの活用方法についても検証されたようです。
PR TIMES
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
(文・Higuchi)