高級車やエンジンのメーカーであるロールスロイスがパートナー企業と共同で手がけている全電動航空機「Spirit of Innovation」。このたび、試験飛行で時速623キロを記録しました。
電動航空機としては世界最速で、この他にも3つの世界記録を打ち立てたとのことです。
202秒で高度3000メートルにロールスロイスの発表によると、英国防省のボスコムダウン試験飛行場で11月16日に行われたテストフライトで、Spirit of Innovationは「3キロの飛行でトップスピード時速555.9キロを達成」しました。これまでの記録を213.04キロ上回るものです。
加えて「15キロの飛行で時速532.1キロを達成」し、これは前の記録を292.8キロ上回りました。そして「202秒で高度3000メートルに達し」、これまでの記録を60秒縮めました。
初飛行からわずか2カ月こうした記録破りの飛行の中で、最高速度は時速623キロに達しました。同社は「世界記録」として、航空記録を扱う国際航空連盟にデータを提出したとのことです。
Techableで以前取り上げたように、Spirit of Innovationは今年9月に初飛行に成功したばかり。わずか2カ月で大きく飛躍し、その能力を世界に示したことになります。
Spirit of Innovationの開発は、先進的なバッテリーと推進力の技術を高めることを目的としていて、今回の世界記録樹立についてロールスロイスのCEO、ウォーレン・イースト氏は「“ジェットゼロ”実現にむけたマイルストーン」とコメントしています。
二酸化炭素を排出せずに、効率的に高速で飛行するという技術は最終的にエアモビリティ分野に広く生かされることになりそうです。
ロールスロイス
(文・Mizoguchi)