スコットランドのエディンバラ大学の研究チームは、映画のトレイラー(予告編)を自動的に生成できるAIのモデルを開発しました。
「物語」と「感情」を分析映画の予告編を見て公開が一層楽しみになったり、知らなかった映画に興味を持ったり、という経験をしたことがある人は多いでしょう。
映画製作会社にとっても、予告編はプロモーション戦略として非常に重要です。視聴者へアピールできる効果的な内容にするためには、「映画の筋書きを簡単に要約」し、「全体的な雰囲気」を魅力的に伝える必要があります。
今回エディンバラ大学の研究チームは、映画の予告編を自動で生成できるAIモデルを開発。このモデルは同大学が開発した機械学習アルゴリズムに基づいているとのこと。
予告編を自動で作成するために、まず研究チームは2つのサブタスク「映画の物語構造の特定」とそれによって伝えられる「感情の予測」に分解しました。これは、映画(ビデオ)と脚本(テキスト)の両方からデータを抽出し、処理するようです。
映画のターニングポイントを特定研究チームは、「私たちは映画をグラフとしてモデル化します。例えば脚本からテキスト情報(キャラクター、アクション、状況など)を活用して、これらの相対的な関係をAIが学習します。次に、機械学習アルゴリズムがグラフを読み込みながら、トレイラーを生成していきます」とコメント。
つまり、ビデオとテキストから2つのニューラルネットワークを組み合わせることで、映画のターニングポイントを特定するようです。このターニングポイントは映画の中で特に目立つべきポイントと認識され、予告編で取り上げられます。具体的には、「チャンス」「思わぬ展開」「引き返せない事態」「ピンチ」「クライマックス」などの場面がターニングポイントとして認識されるようです。
ターニングポイント抽出の精度が上がり、AIモデルがうまく機能するようになると、映画製作会社は予告編の製作をスピードアップできそうです。今後、研究チームは品質向上に向けて、技術の改善に取り組んでいくとのこと。
Film Trailer Generation via Task Decomposition
(文・Takeuchi)