国内最大のITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」は、ITエンジニアが働いている企業77社と、ITエンジニア職に就いている個人366名に、緊急事態宣言解除後のリモートワーク実態に関する調査を実施。結果、企業とエンジニアの間にはリモートワークに対する意識の差があることもわかりました。以下、調査結果を簡単にまとめてみます。
なお、個人向けアンケートは2021年10月18日~25日に、企業向けアンケートは11月2日~15日に、インターネット経由で調査されたものです。
ITエンジニアにはリモートワークによる影響は少ない?企業アンケートの結果、緊急事態宣言解除後もITエンジニアのリモートワークを導入している企業は87%。この企業のうち79.1%は、コロナ収束後も引き続きリモートワークを実施する・実施予定と回答していて、その理由としては「リモートワークでも問題なく仕事ができることが分かったため(約85%)」「ITエンジニアの働きやすさを向上させるため(約77%)」という回答が上位となりました。この結果を見る限り、ITエンジニアにとってリモートワークが基本的な仕事スタイルのひとつとして定着していきそうです。
この結果の要因のひとつと考えられるのが、リモートワーク時のパフォーマンスの変化でしょう。リモートワーク導入企業に「リモートワーク実施によるITエンジニア組織全体のパフォーマンスの変化」を聞いたところ、「パフォーマンスが下がった」と回答した企業はわずか7.5%にとどまっているのです。一般的には“リモートワークによってパフォーマンスが下がる”と言われている中、ITエンジニアという職種においてはあまり影響がないことがわかりました。
とは言え、まったく課題がないわけではなさそうです。リモートワークを実施する上での課題を企業・個人の双方に尋ねたところ、どちらもコミュニケーション不足による悪影響を感じていることが判明。しかし、その解決策として実施していることを自由回答で聞いたところ、企業も個人も「特になし」が多く見られ、大きな打開策はなく模索中といった状態だといいます。
企業が求めるほど、出社したくないITエンジニアこういった課題はあるものの、先に示したようにリモートワーク導入企業ではリモートワークの継続に前向き。では、個人としてはどの程度リモートワークを重視しているのでしょうか。
個人アンケートでは、「コロナ収束後に希望するリモートワークの頻度は? 」という質問に対して約57%がフルリモートワークと回答。リモートワークは必要ない(出社したい)と回答した約5%の人以外は少なくとも週に1回はリモートワークで働きたいと考えていることがわかりました。
一方で、企業アンケートの結果、フルリモートを許容する企業は26%のみ。「個人の裁量に任せる」とした約25%の企業も合わせると、半数はフルリモートを視野に入れていることにもなりますが、「フルリモートワークで構わない」と言い切れる企業の割合と、フルリモートを希望する個人の割合との間には差が生じていることが伺えます。
リモートワークの有無は転職・採用に影響する?個人アンケートからは、リモートワークを重視する傾向が見て取れましたが、それは転職時にも影響するようです。個人に対し「転職する際の条件としてリモートワークの有無をどの程度重視するか」という質問をしたところ、「特に気にしない」「出社したい」と答えた人は約28%となり、約72%がリモートワーク制度のある企業を希望していることがわかりました。
これに呼応するように、リモートワーク導入のうち約52%が優秀なITエンジニアの採用には「リモートワークの実施が必須」であると回答。このことからも、今後のITエンジニア採用においてリモートワーク制度の有無は大きく影響してくるのではないかと予想されます。
ちなみに、転職時のリモートワーク有無について、ITエンジニア職以外の職種の人95名に聞いたところ、40%が「特に気にしない」と回答。この結果は、ITエンジニアがよりリモートワーク重視であることを示しているのかもしれません。
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(文・Higuchi)