世界中で多くの国で展開されているライドシェアが、航空機でも手軽に利用できる時代が間もなくやってくるかもしれません。
米国の航空スタートアップArcher Aviationは米国12月20日、開発中の自律型電動デモ航空機の初のホバリングテストを実施し、成功したと発表しました。同社は2024年後半のライドシェアサービス提供開始を目指しています。
垂直に離発着今回ホバリング飛行を実施したのは自律型eVTOL(電動垂直離着陸機)の「Maker」です。同社は今年6月にMakerを発表し、その際、2021年末までにテストフライトを実施すると予告していました。
2人乗りのMakerはデモ機で、左右の翼に計6つのプロペラを搭載しています。これらのプロペラは傾斜をつけることが可能で、これにより垂直に離発着し、水平にクルーズ飛行することができます。
垂直に離発着できることのメリットは滑走路を必要としないため、都市部でも展開しやすいことです。つまり、街中での「空飛ぶタクシー」にうってつけというわけです。
5人乗りで認証取得へ今回のテストはホバリングのみで、フライトと呼べる段階ではありませんが、同社が登場したのが18カ月前、そして6月に機体を発表したばかりであることを考えると、驚くべきスピードで開発が進んでいることがうかがえます。
水平飛行などは今後本格化させるテストで行います。また、2人乗りのMakerはあくまでもデモ機で、Archer Aviationは実際には操縦士が乗り込む5人乗りの航空機での認証取得を目指しています。
Archer Aviationの共同創業者で共同CEOのアダム・ゴールドステイン氏は「このペースで開発を続け、2024年後半に空のライドシェアサービスを立ち上げたい」とコメントしています。
今後開発される5人乗り機体のスペックはまだ明らかになっていませんが、航続距離によっては都市内だけでなく、都市間の移動にも活躍するかもしれません。
Archer Aviation
(文・Mizoguchi)