データサイエンスサービスを提供する株式会社エスタイル(以下、エスタイル)は、人材市場で需要が高まり続けるデータサイエンティストに関する「2021年の総括及び2022年の展望」を発表しました。
「実務経験」の有無がポイントに近年のAI・機械学習技術の普及を受け、転職市場においてAI関連人材の需要は大きな高まりをみせています。エスタイルは「中でも、膨大なデータをAI・機械学習技術を用いて分析し、課題解決を行う職種である『データサイエンティスト』は今、世界的に注目を集めています」と話します。
注目される一方で、データサイエンティストの人材獲得競争は熾烈を極めていることも事実。この背景として、データサイエンティストの育成は非常に難しく人数が少ないという課題があるようです。
データサイエンティスト人材を育てる入り口としてまず考えられるのは、「大学をはじめとした教育機関」。アメリカではデータサイエンスを専門とする学部が一般的なものとして存在する一方で、これまで後塵を拝してきた日本でも、データサイエンスの学習に対応するための教育プログラムが作成されるなど、急速に対応が進んでいるようです。
しかし同社は「一方で、上述のような機関で教育を受けられなかった人材がデータサイエンティストになるための道は、いまだ未整備である」とコメント。企業が掲載している「データサイエンティスト」の応募条件では、ほとんどの企業で「実務経験1〜3年以上」などの条件を提示しているようです。
つまり、データサイエンティストを「採用したい」という企業も、「なりたい」という転職希望者も数多くいる一方で、転職希望者がどんなに学習を積んだとしても実務経験不足により、企業とのマッチングが進みづらいというのです。そのため、ごく少数の「経験のあるデータサイエンティスト」を採用すべく、多くの企業が激しい獲得競争を繰り広げているのが現状であるようです。
ビジネス理解力も求められるデータサイエンティスト一方でエスタイルは「今後、データサイエンティストにはビジネス理解力が求められる」との見解も示しています。「以前は一つの『データサイエンティスト』という言葉でくくられていましたが、役割の細分化に伴い、データサイエンティストにとっても何を強みにしていくのかを考えることが重要になっています」と同社。
AIなどがビジネスへ浸透したことにより、データサイエンティストに求められる業務範囲と難易度が広がりました。データサイエンティストが関わる人材の幅も必然的に広がっており、データエンジニア、AIエンジニアなどのように、役割が細分化されています。
これからのデータサイエンティストは、技術的な目線だけではなく「どのようなビジネスで役立てることができるのか?」「精度を上げたとしてそれは本当に優先順位が高いのか?」など、ビジネスの目線が必要になりそうです。
PR TIMES
(文・Takeuchi)