世界中で環境に優しい電気運転車(EV)への移行が進んでいますが、浸透の障壁となっている要因の1つが充電設備の配備です。公共の場所への設置は増えているものの、住宅への設置は多くの人にとってハードルの高いものです。
特に集合住宅の地下駐車場の場合はそうですが、そのソリューションとなるチャージャーを展開しているのが、ドイツのスタートアップHeyChargeです。インターネット接続を確保できない場所にも設置できるタイプで、BMWの子会社はこのほどHeyChargeへの出資を発表しました。
ネット接続は不要BMWの投資部門、BMW i Venturesによると、従来のチャージャーの起動にはアプリやRFIDカード、そしてインターネット接続が必要ですが、多くの地下駐車場にはインターネットアクセスポイントがありません。
つまり所有する駐車場がマンションなどの地下にあったり、または辺ぴな場所にあったりする場合、EVに買い換えたくても思いとどまざるを得なくなります。そうした問題を解決するのが、HeyChargeの「SecureCharge」というチャージャーです。
数分で設置可能SecureChargeは設置場所に困らないほどかなりコンパクトなチャージャーです。しかし最大のポイントは、専用アプリとBluetoothで接続するようになっていること。つまりインターネット接続なしにユーザーはアプリ経由でチャージャーを操作できます。
SecureChargeのインストールは非常にシンプルで、電気技師であればものの数分で設置できるとうたっています。ちなみに、HeyChargeはSecureChargeに搭載している技術の特許を申請中とのことです。
もちろんSecureChargeはBMWのEVのみに対応するわけではなく、多くの人が恩恵を受けることができます。日本でもこうした設置お手軽タイプのチャージャー需要はかなりありそうです。
BMW Group
(文・Mizoguchi)