近年、新型コロナウイルスの影響で、国際的な展覧会の開催は困難な状況です。また、世界的に化石の発掘・調査研究は著しく減速しているといいます。
そんななか始動したのが「バーチャル恐竜博物館」。デジタルテクノロジーを駆使した展覧会や国内外の講師によるオンライン講座を開催し、国際交流を促進する事業を展開する構えです。
オンライン講座に新種の恐竜の発見者が登壇「バーチャル恐竜博物館」では、古生物化石のデジタルアーカイブデータを充実させ、インターネットを通じて国際共有することで世界中の博物館の交流を図ります。
その第1弾として、1月30日(日)19:00~19:45に日本と中国をつないだオンライン講座「化石と旅する世界 -中国と日本をつなぐ-」を開催予定です。
講座には、新種の恐竜「エウブロンテス・ノビタイ(以下、ノビタイ)」を発見した中国地質大学のシン・リーター准教授と、ノビタイの足跡レプリカを展示する群馬県立自然史博物館 真鍋真特別館長らが登壇。2020年7月に中国四川省で発見されたノビタイの足跡化石についての解説が聞けるようです。
同講座は、視聴URLより無料で視聴できます。
文化庁が進める国際交流モデル「バーチャル恐竜博物館」は、文化庁が推進する「博物館等の国際交流の促進事業(実施事業)」の採択事業。「デジタルアーカイブデータを活用したバーチャル恐竜博物館による国際交流」という事業内容で採択されました。
文化庁は、若手研究者の海外ネットワークの構築などに注力してきましたが、新型コロナウイルスにより甚大な影響を受けたといいます。そこで、“新たな日常”に対応した収益力や日本文化の発信機能の強化が重要と考え、海外の博物館などと連携した国際交流モデルを構築することになったようです。
「バーチャル恐竜博物館」は、バーチャルで得た知識をリアルで確認し、リアルで芽生えた疑問をバーチャルで解決するといった学習のスパイラル効果の実現などを目指します。
ちなみに文化庁の事業には、「奈良の文化資源を活かした海外博物館等との国際交流事業」を提案した奈良県と、「東西文化財を活用した博物館の国際交流事業」を提案した公益財団法人横山大観記念館も採択されました。
PR TIMES
文化庁「博物館等の国際交流の促進事業(実施事業)」
(文・Higuchi)