航空機を使った貨物輸送は珍しいものではありませんが、近い将来、ドローンがその役割を担うようになるかもしれません。
航空貨物輸送の効率を高め、その一方でコストを下げつつ、二酸化炭素排出の削減も目指して米スタートアップNatilusが開発中の機体が、2025年から商用運用される見通しとなりました。
最初の生産納入枠を確保カナダに拠点を置き、北米と中南米でドローンソリューションを提供しているVolatus Aerospaceが、Natilusの貨物用の大型自立飛行ドローン「Natilus N3.8T」の最初の生産納入枠を確保したと明らかにしました。
Volatus Aerospaceは2025年にもNatilus N3.8Tをリモート操作してまず小型荷物配達に活用する計画です。どのルートに投入されるかなど詳細はまだ明らかにされていません。
CO2排出量も削減発表によると、Natilus N3.8Tの最大離陸重量は8618キロ、航続距離は1667キロメートル。最大積載量は3855キロで、貨物容積は従来の同じ重さの航空機に比べて60%多いとのことです。
これを可能にしているのが、ブレンデッド・ウィング・ボディ設計です。翼と機体を一体化させているこのデザインにより、1回で運ぶ貨物量を増やせるため輸送効率をアップできます。
加えて、燃費も向上し、コストと1ポンドあたりの二酸化炭素の排出量を50%削減することが可能、とうたっています。
Natilusのアレクセイ・マツシェフCEOは「新鮮な食材を店舗に届けたり、国境を超えたeコマースを繁盛させたりできます」と話していて、効率的かつクリーンなロジスティックの需要は世界中にありそうです。
Volatus Aerospace News Release
(文・Mizoguchi)