スポーツ選手やチームにとって、プレーの振り返り・分析はパフォーマンス向上に資する重要な取り組みのひとつです。
そんなプレーの振り返り・分析などを実現する映像分析プラットフォームをスポーツなどの領域に提供しているのが、RUN.EDGE株式会社。すでに国内外にサービスを展開していますが、さらなる事業拡大を目指し、このたび総額約7.7億円を調達しました。
なお今回は、2021年9月に実施したプレシリーズBラウンドの追加ラウンドとなります。
野球・サッカー・バスケなどのシーン映像を分析同社のサービスのひとつ「FL-UX」は、サッカーやバスケなどフィールドスポーツ向けの映像分析プラットフォーム。プレーを見ながらシーンにつける「タグ」とプレー映像データを瞬時に同期させ、プレー直後のフィードバックなどをサポートします。
重要なシーンをチームで共有し、シーン映像とともに伝えたいことをチャットで送信可能です。また、重要なシーンだけをまとめたダイジェスト動画(プレイリスト)の作成もらくらく。動画上にラインなどを書き込むことができるので、ミーティングなどでわかりやすく戦略を伝えることができるでしょう。
このほか、ライブ映像を使ったリアルタイム分析や戦略や練習メニューに合わせたタグのカスタマイズ機能なども備えています。なお、オフラインでも利用可能で、ネットワーク環境が整っていないグラウンドや移動中でも使えるとのことです。
また、同社は野球に特化したサービス「PITCHBASE」も提供中。1球ごとの投球シーンを高速に再生できる技術、任意の投球シーンだけをデバイスにダウンロードする技術によって快適な分析環境を実現します。
分析したいシーンの連続再生や異なるシーンを並べたり重ねたりして比較する動画、プレイリストの作成も可能。比較動画やプレイリストをチームで共有することで強化に向けたコミュニケーションを活性化できるといいます。
「PITCHBASE」は現在、国内プロ野球球団とメジャーリーグ球団に提供中で、今後はアマチュア野球への展開も計画しているようです。
教育現場向けの「TAGURU」このように、スポーツシーンの映像分析を通じて培った技術・ノウハウを生かして開発したのが、教育現場向けの「TAGURU」。これは、オンライン・オフライン授業の質向上に貢献する映像・コミュニケーションプラットフォームです。
大きな特徴は、生徒が授業映像を視聴しながら「大事だと思ったところ」や「理解できなかったところ」にボタンを押し、映像シーンとして残すという点でしょう。生徒自身の振り返りはもちろん、先生が生徒の理解していない部分を映像で確認しながら把握できるというメリットがあります。
なお「TAGURU」については、2021年3月に株式会社FCEエデュケーションと連携し、小学校・中学校・高等学校・専門学校の現場でのサービス実証実験を実施すると発表がありました。
プレシリーズBラウンドを完了そんな同社が目指すのは、「FL-UX」および「PITCHBASE」の本格的なグローバル展開と、「TAGURU」展開の本格化。さらには、不動産・建築現場やエンターテイメントなど、そのほかの領域へのサービス展開も視野に入れています。
その実現に向けてこのたび、アシックス・ベンチャーズ株式会社、W ventures、岡三キャピタルパートナーズ株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、CiPファンド、KDDI Open Innovation Fund 3号を引受先とする第三者割当増資により、総額約7.7億円を調達。
今回は、2021年に実施した株式会社慶應イノベーション・イニシアティブらからの第三者割当増資および株式会社日本政策金融公庫からの特別貸付(資本性劣後ローン)による資金調達の追加ラウンドとなり、これをもってプレシリーズBラウンドを完了しました。
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RUN.EDGE株式会社
(文・Higuchi)