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3Dホログラムで臓器再現、手術のシミュレーションなど支援へ。「True3D」が医療機器認証

Techable 2022年2月25日 9時0分

センチュリーメディカル株式会社は、同社が販売する汎用画像診断装置ワークステーション「True3D ホログラム PreOP(以下、True3D)」が、1月17日(月)に医療機器認証されたことを発表しました。

True3Dは、医用画像を処理し、組織や臓器の解剖学的な構造を3Dホログラム状の立体画像として表示するワークステーションです。同社によると、3Dホログラム状表示のワークステーションにおいては、日本初の医療機器認証とのこと。

医用画像を3Dホログラム状に表示することで、立体視しながら腫瘍径などの計測や手術のシミュレーションが可能となります。

医用画像を3Dホログラム状に表示する「True3D」

True3Dは、医療機器の専門商社センチュリーメディカル株式会社が販売しているワークステーション。医用テクノロジー開発に取り組んでいるアメリカの企業「EchoPixel」が製造しました。

「処理した画像データを臨床的な意思決定に役立てること」を目的として開発された同製品。2Dの医用画像を3Dホログラム状の立体画像として表示することができます。

同製品はコンピュータと立体表示ディスプレイ、ソフトウエアから構成されており、付属のタッチペン(スタイラスペン)を使うことで、表示されている臓器を固定し、360度あらゆる方向から観察できます。組織や臓器を実物大で表示できるため、空間的な距離や構造物がより理解しやすくなるとのこと。

また、血管トラッキングや腫瘍径の計測などの各種計測機能も搭載。さらにオプション機能として、手術の際に使用する「インプラントデバイス」の選択をサポートする機能も用意しているので、より精密な術前プランニングが実現できるでしょう。

国内の医療現場における「読影」の課題点

国内の医療現場では、医師が画像を確認する際に、画像診断装置から表示される2D画像を医師自身が頭の中で3D化して、診断や治療をおこなっているといいます。

経験を頼りに、2D画像から得られた組織や臓器の情報を構造的に理解するケースが多いようです。

医師によって構造の把握にばらつきがあるなか、非放射線科医や臨床経験が少ない医師を含む、すべての医師が同じイメージを持ちながら、患者特有の解剖理解や診断をおこなう手段が求められています。

「医師らの共通認識の促進」「手術シミュレーションのサポート」へ

センチュリーメディカル社によると、国内の医療現場における「読影」の課題に対するTrue3Dの革新性として「解剖の正確な理解」「治療戦略改善の可能性」の2つが挙げられるといいます。

これまで、国内の医療現場では2Dの画像や3D加工した画像を、2Dディスプレイを使って診断してきました。True3Dは臓器の実物大のホログラム状画像を表示できるので、若手医師や熟練した医師ら全員が共通認識を持てるとのこと。

すべての医師が共通認識を持つことで、病変の見逃し防止、術前の画像診断時間の減少が期待できます。

国際規格対応の医療用デジタル画像「DICOM画像」を読み込んでから、ホログラム状画像の作成にかかる時間は約10秒。スムーズな画像作成により、2D画像での解剖学的位置関係の理解に費やす時間や、手術時間の短縮が期待できるでしょう。

また、解剖組織や臓器の計測やインプラント留置を実施できることから、より現実に近い手術シミュレーションのサポートも見込まれます。

まるで実物の臓器を見るように解剖が理解できるという同製品。医療機器認証により、今後の医療現場での活用が期待されます。

PR TIMES
センチュリーメディカル株式会社

(文・Haruka Isobe)

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