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凸版印刷、メタバースサービス基盤「MiraVerse」開発。仮想空間のビジネス利用に

Techable 2022年3月1日 14時0分

凸版印刷株式会社は、現実空間を仮想空間へ正確に取り込み、その中で商談や協調作業などのビジネスコミュニケーションができるメタバースサービス基盤「MiraVerse(ミラバース)」を2022年4月より提供開始します。

現実空間の色味や質感などを正確に取り込んだメタバースを構築できる同製品。ビジネスで必要な構成要素のデータ管理機能や改ざん対策のほか、アバターの本人認証と安全なコミュニケーションが可能となります。

メタバース導入のハードルを下げる

近年、時間や場所にとらわれない、新たなコミュニケーションフィールドとして注目を集めているインターネット上の仮想空間「メタバース」。

しかし、情報の品質管理やセキュリティ管理の難しさから、ビジネスや産業へ活用する技術としては発展途上といえるでしょう。また、メタバースは専門性が必要な分野とされており、導入のハードルが高いようです。

そんななか、印刷テクノロジーをベースに複数の事業を展開する凸版印刷は、同社が従来培ってきた高精細な画像データ処理や、形状を正確にデジタル化する3D計測をはじめとする先端表現技術を活用した空間再現を実現。

空間再現に加えて、クラウド上で管理している構成要素をユーザーが自由に組み合わせ、フォトリアルな3D空間を作り出せるシステムを新たに開発しました。

そこへ、アバターの本人確認機能やアバターとメタバース間のセキュア連携機能、独自の高精細・低遅延リアルタイムレンダリング機能を組み合わせたサービス基盤が「MiraVerse」です。

複合的な機能を兼ね備えた「MiraVerse」

凸版印刷によると、MiraVerseの特徴は3つ。

1つ目は「フォトリアルな空間再現」。同製品は、設計図や3D計測・色彩計測などを活用して、建物や製品、アートや自然などを正確に3Dデータ化します。

4K・8Kの高精細かつ低遅延なオリジナルのレンダリングエンジンとの組み合わせにより、フォトリアルなメタバース空間を構築することが可能です。

形だけでなく風合いも忠実に再現できるため、まるでその場にいるような臨場感を味わえるでしょう。

2つ目の特徴は「自在なワールド構築とデータ管理機能」。さまざまなデータをユーザーが自在に組み合わせ、新しいモノや空間を作り出すことができるとのことです。

また、同製品で活用するすべての情報を高セキュリティのクラウド上で一元管理するデータ管理機能も搭載。「セキュリティ管理の難しさ」を理由にメタバースの導入を実現できなかったビジネス現場で活用できるでしょう。

「AVATECT」との連携でセキュアなコミュニケーションを実現

MiraVerseの3つ目の特徴は、「セキュアなアバターコミュニケーション機能」です。同製品は、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT(アバテクト)」と連携しています。

AVATECTはアバター本体の管理や本人認証のほか、アバターにNFT(非代替性トークン)や電子透かしを付与するサービスです。

AVATECTと連携することで、MiraVerseではメタバース内で自身の分身となるアバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュア連携が可能に。

なりすましを防止し、安全安心なコミュニケーションを実現できるといいます。

芸術鑑賞体験などでの活用も視野に

フォトリアルな空間再現やセキュアなアバターコミュニケーションなど、複合的な機能を兼ね備えた同製品。

ビジネスや産業での利用はもちろん、企業ショールームをはじめとするプロモーションや、リアルタイムシミュレーションを活用した設計・デザイン、新しい芸術鑑賞体験などの幅広い分野での展開が見込まれます。

凸版印刷は「誰もが参加しやすく安全安心で持続可能な社会の実現」を目標に今後もMiraVerseの提供を進め、2025年度では関連受注を含め100億円の売上を目指すとのことです。

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(文・Haruka Isobe)

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