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空飛ぶクルマのインフラプラットフォームを開発するエアモビリティ、日本特殊陶業から資金調達

Techable 2022年3月19日 13時0分

空飛ぶクルマに関するプラットフォームを提供するエアモビリティ株式会社(以下、エアモビリティ社)は、日本特殊陶業株式会社(以下、日本特殊陶業社)から資金調達したことを発表しました。

これにより、同社は「空飛ぶクルマ」社会の実現に向け事業化を推進する方針です。

世界各国で開発が進む「空飛ぶクルマ」

次世代モビリティとして世界各国で開発が進む「空飛ぶクルマ(eVTOL:Electrical Vertical Take-Off and Landing、電動垂直離着陸機)」。

日本でも経済産業省の「空の移動革命に向けたロードマップ」において、2020年代半ばから空飛ぶクルマの事業を開始することを目標として設定しています。

2030年代以降は、サービスエリアや路線、便数などを拡大予定。都市部での渋滞軽減、離島、山間部での移動手段、災害時の救急搬送などでの活用が期待されています。

空飛ぶクルマのプラットフォーム事業を展開するエアモビリティ

ドローンや空飛ぶクルマの開発競争が過熱するなか、今回資金調達を発表したエアモビリティ社は、空飛ぶクルマの販売やサービスに関するプラットフォーム事業を展開している企業。

空飛ぶクルマが安全に運航するためのインフラプラットフォーム「ASCP(AirMobility Service Collaboration Platform)」などの開発をおこなっています。

「ナビ」「保険」「バーティポート(離着陸場)」「決済」「データ保管」「遠隔診断」「データ解析」「予約」の8つの要素で構成されているASCP。ASCPの主要機能の⼀部である「ナビ」の役割を担っているのが、同社が開発した「AirNavi」です。

AirNaviは、機体情報や気象データ、3D地図データなどから取得した運航条件をもとに飛行ルートを作成するナビシステム。航空監視システムとのコミュニケーションにより、航空機やドローンと干渉しない安全な運航ルートを確保することができるといいます。

2021年12月には、三重県鳥羽市で、AirNaviのプロトタイプを搭載したドローンの飛行を試みる実証実験を実施。実証では、2.7kmのコースを安全に飛ぶことができたのだそう。

同社は今後、リアルタイムでの気象情報の変化によるルート変更、衝突回避や運航管理システムとの連携など、空飛ぶクルマでの実用化に向けた改良を重ねていく方針です。

モビリティ事業に注力する日本特殊陶業が出資

そんな同社に出資したのが、スパークプラグ、ニューセラミックス製品メーカーの日本特殊陶業社。“Beyond ceramics, eXceeding imagination”(セラミックスのその先へ、想像のその先へ)を2040年のビジョンとして掲げています。

中間地点である2030年の「ありたい姿」をまとめた「2030 長期経営計画 日特BX」において、同社はモビリティ事業を今後注力する分野のひとつに位置づけました。

新たなモビリティに対する世の中のニーズや、同社の技術・開発力の応用可能性を探り、手軽で、楽しく、便利な移動体社会への貢献を目指しているといいます。

財務基盤の強化、インフラプラットフォーム開発の加速へ

エアモビリティ社は、今回調達した資金によって財務基盤の強化を図るとのこと。

また、資金をインフラプラットフォーム開発の加速と、それに伴う組織体制、開発体制の強化などに活用するようです。

同社は「高い技術力や優れた品質力、製造ノウハウ、グローバルなネットワーク等を有する日本特殊陶業社との協業を通じて、当社は事業化推進を加速してまいります」と語っています。

今後も「空飛ぶクルマ」社会の実現に向けた取り組みに期待が寄せられるでしょう。

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エアモビリティ株式会社

(文・Haruka Isobe)

 

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