日本は、国土面積のうち約3分の2を森林が占める世界有数の森林国で、先進国においてはフィンランドに次いで世界第2位となっています。
しかし、林業において従事者の高齢化と働き手不足が深刻化し、廉価な輸入木材が国内林業を圧迫するなどの課題も生じています。
コロナ禍のウッドショックによる木材価格の高騰や、ウクライナ紛争などの影響によって輸入木材の供給が不安定になる中、国内での安定した林業経営が求められています。
そんな中、富士山麓でキャンプ場を運営する株式会社ふもとっぱらは、興農GPSSインベストメントマネジメント合同会社(Kono-GPSS Investment Management、以下KGIM)と共同で、デジタル技術を活用した林業事業を行うことになりました。
林業のデジタル化とノウハウの共有を目指して今回、両社による共同事業が行われる場所は、静岡県富士宮市にあるキャンプ場「ふもとっぱら」に隣接する、総面積719Haに及ぶ森林。
株式会社ふもとっぱらの森林事業部は、林業を通じた山の保全と循環に取り組んでおり、木材の取材・製材、登山道の完備、並びに間伐・植樹などを通じて土砂崩れなどの自然災害を抑制。森林若返りを目的に、山を管理してきました。
KGIMは、株式会社ふもとっぱらが掲げている林業を通じた自然との共生、並びに林業事業者の育成理念に共感し、林業分野のデジタル化と機械オペレーションのノウハウの共有を目指して、本事業を共同で行うに至ったとのこと。
デジタル林業事業概要本事業では、デジタルデータ技術を活用し、カーボンクレジットの組成、並びに森林伐採と植樹計画のモニタリングが行われます。
また、林業従事者の業務効率化と安全確保を目指し、山間部への資材や工具搬送をドローンで行うオペレーションの実証も予定しているとのこと。
そのほか、林業事業の多角化に伴う、デジタル測量を担う人材の育成と、従事者の賃金アップにつながる仕組みの構築を目指し、今後の事業を展開していくそうです。これら共同事業の成果については、静岡県や近隣森林事業関係者と共有し、中部地域全体の林業人材育成にも寄与していく予定とのこと。
同取り組みにより、デジタル技術を活用した、安全で効率的な林業オペレーションフローが構築され、国内の豊富な森林資源を活かす事業基盤が構築されることが期待されます。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000122206.html
「ふもとっぱら」公式サイト:https://fumotoppara.net/
(文・Sada Yuka)