株式会社自動処理は、OpenAIの大規模言語モデルChatGPT上で動作する国会議事録検索プラグイン(以下、本プラグイン)をリリースしました。
本プラグインの特徴は、ニュース、トレンド、提案、要望、不満などの文章をもとに、その意味に近い国会議事録の議論を出典元情報とともに検索できること。
これにより、誰でも簡単に国会の議論を調査、取りまとめを実施することが可能となり、国会で働く議員の活動をさらに詳しく知ることができるようになります。
なお、株式会社自動処理によると本プラグインは全国初の試みであるとのことです。
国会議事録検索ができるChatGPTプラグイン2023年1月1日から最新までの国会議事録を検索できる本プラグインは、日付や発言者を指定し、議事録を検索することが可能です。
多言語にも対応しており、日本語だけでなく、英語、韓国語、中国語など、複数の言語で問い合わせと回答を得られます。
データを検索して情報を表示しているため、大規模言語モデル特有の問題であるハルシネーション(学習データにない内容を聞かれた際、もっともらしい嘘をついてしまう現象)を避け、正確な回答をすることが可能です。
特定のキーワードが含まれる国会議事録を調べる本プラグインの想定利用ケースは、以下の通りです。
①興味のあるニュース記事に関連する議論を深掘りする
②新聞記者による記事作成
③教育機関での教材としての利用
④企業による政策影響分析
⑤政策研究機関による政策分析
例えば、本プラグイン上で「国民の給料向上について国会でどう議論されているか5件調べて、表形式で表示してください。」と検索すると、国民の給料向上について国会で議論された5件が表形式で表示されます。
表からは斉藤鉄夫議員による「技能労働者の賃金水準の上昇につながる好循環が持続できるよう、官民一体となった取組の一層の推進に努めてまいる決意でございます。」という発言や、大塚耕平議員による「給料が上がる経済を実現するため、名目賃金上昇率が物価上昇率プラス二%程度に達するまで積極財政で産業政策と家計第一の経済政策を支えることを目指しています。」という発言をソースとともに確認できました。
所属政党、役職を表示する機能を追加予定今後、株式会社自動処理は本プラグインにて、発言者の名前だけでなく、その所属政党や役職を表示するほか、発言の前後の質問や回答を追加表示する機能を追加する予定です。
また、2022年データの取り込みや議会全体のサマリの追加表示、官民対話システムアイデアボックスとの連携なども計画しているとのこと。同社はこれらの機能追加により、より深い議論の理解と、国民と政府との対話を促進することを目指す方針です。
株式会社自動処理代表・高木氏は、以下のようにメッセージを寄せています。
国会はどうしても国民から遠く、ニュースを経由して、結論しか知ることが出来ません。ChatGPTという誰でも使えるツールを利用し、自分が考えた意見が国会でどう議論されているのかを検索することで、国会議員の皆さんがどういう思いで、日々議論をし、政策検討されているのかているのかを思いついた時に気軽に確認できるようにしたいという思いがありました。これにより政治家が何もやってくれていないという残念な誤解を解き、国民と国会の間にある断絶を繋げられるようなことができればと思っています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000067480.html
(文・Haruka Isobe)