株式会社FingerVision(以下、FingerVision)は、米・カーネギーメロン大学発の「視触覚」技術の実用化を通じて、ロボットや機械の適用範囲を広げ、さまざまな社会課題を解決することを目指しています。
このたび同社は、さまざまな業界・用途での触覚センサ付きロボットハンドの利用ニーズ拡大に応え、複数メーカーのロボットアームとの通信インタフェースを実装しました。
コア技術“視触覚センサ”とは?FingerVisionは、「画像(カメラ)をベースに触覚を再現する」というコンセプトをコア技術とするスタートアップ企業。
FingerVisionセンサは透明で柔らかい皮膚と小型カメラで構成されています。ロボットハンドなどの指先に搭載することで、触覚を知覚できるようになり、あたかも人が手のひらの感覚を使って物体を扱うような制御をロボットで実現可能です。
大きな特徴は、高解像度カメラで取得した画像情報から力分布(x, y, z方向)のみならず、滑り分布や対象物の重さ、把持位置・姿勢、異物などの複数のモダリティを取得できること。「触覚センサ」とは言いつつも、把持対象物を“見る”モダリティも備えた「視触覚センサ」です。
また、「画像(カメラ)に基づく」という特性上、センサを構成するハードウエアの機構が極めてシンプルで、原価が低く経済性に優れています。また、原理的に高耐久であることも特徴です。
FingerVisionは、この視触覚センサを搭載したロボットシステムを、業界の課題に合わせて開発・提供しています。
協働ロボット紹介今回は、触覚センサ付きロボットハンド(α版)に対応する初期的な接続方式として、複数メーカーのロボットへの接続が可能なModbus/TCPを実装しました。
協働ロボットは、ファナック株式会社の「CRX」、株式会社安川電機の「HC10」、Universal Robotsの「e-Series」などです。
FingerVisionは今後も、ロボットシステムインテグレータなどへ向け、触覚センサ付きロボットハンドを活用したアプリケーションを実装・開発するための環境整備を進めるとしています。
FingerVision開発のロボット、G7向けに紹介FingerVisionは、アプリケーションの実装・開発環境の整備を進めるとともに、自社としても触覚センサを活用したロボットシステムを開発・提供中です。
2023年7月25日(火)には、日本の魅力・文化・技術などを発信する内閣府首相官邸公式SNSアカウント「JAPAN GOV」にて、同社の食品業界向けの「おかず盛付ロボット」がG7向けに紹介されました。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000095912.html
公式サイト:https://www.fingervision.jp/
(文・Higuchi)