かつての政策作りでは、町内会・自治会・業界団体・労働組合などの中間組織が住民の政策ニーズを吸い上げて政府に伝達し、実現した政策について周知する役割を担っていたといいます。
しかし、2000年代頃からライフスタイルの多様化が進み、都市部の20〜40代を中心に中間組織に属さない人が増加。
この変化に伴い「政府・自治体に声が届き自分たちの課題が解決された」という成功体験が減ってしまったことが、近年の政治不信や投票率の低下の構造的な要因とされているという見方もあります。
そんななか株式会社issuesは、議員が政治と接点のない20〜40代と“政策課題”でつながれる政策作りプラットフォーム「issues」の提供を2019年3月よりスタートしました。
議員が住民とDMでやりとりし、政策立案の参考にissuesは、住民と議員をつなぐ政策作りプラットフォームです。
同プラットフォームでは、運営が賛否双方の立場の論拠や参考データを元にして、運営がさまざまなトピックを紹介。その後、住民から「賛成」「反対」の要望が寄せられます。
住民が入力した要望は、氏名などと一緒に“住民ニーズ”として地元の政治家(議員)に届きます。要望のなかには、住民自身がメッセージを送れるものもあります。
議員は、住民とのDMでのやりとりを通じて、住民ニーズを把握し、それを政策立案の参考することが可能。メッセージは1対1の非公開なので、他人に見られる心配はありません。
議員は「住民の声を受けてどのように動いていくのか」といった内容や、進捗報告などをメッセージで送ることで、住民から感謝のメッセージとともに支持を獲得できます。
なお、支持者数や反応率、対応率などの活用状況については、「デイリーレポート」としてメールで届きます。
住民の“政治への参加意識”の変化に貢献株式会社issuesによると、全国で累計400人以上の市区議・県議・候補者がissuesを利用しており、全国24以上の自治体で14種類以上の政策を実現しているとのことです。利用議員からは「住民の皆さんからの信頼に大きくつながるツールです」という声があがっています。
また、issuesユーザーへのアンケート調査では、「issuesを使い始める前は自分のような普通の市民の声は議員には届かないと思っていた」と回答したユーザー110名のうち、74.6%が「issuesを使って意外と普通の市民の声を聞いてくれる議員もいると感じるようになった」と回答。住民の“政治への参加意識”が変化していることがうかがえます。
会議員や政党支部向けの新規プロダクト開発へ2023年8月、株式会社issuesは約2億円のシリーズA 1stクローズを実施したと発表。
今回調達した資金を使って採用とマーケティングを強化し、全国の市議・県議へのさらなる浸透、国会議員や政党支部向けの新規プロダクト開発と拡張に注力していく方針です。
参考元①:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000044637.html
参考元②:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000044637.html
(文・Haruka Isobe)