データケミカル株式会社は、同社が展開する化学分野のAI・機械学習クラウドサービス「Datachemical LAB(データケミカルラボ)」にて、汎用的に変数重要度を計算する機能を2023年8月17日よりリリースしました。
化学分野のAI・機械学習クラウドサービスDatachemical LABは、化学分野で有用なデータ解析・機械学習プログラムを容易な操作で扱うことできるSaaS製品。これまで個別に検討されていた分子・材料・プロセス設計の領域を一体として取り扱い、ラボでの実験から量産化までトータルでの効率化を図ります。
同サービスでは、初期のデータ採取の候補選びから統計的に行い、得られたデータにもとづいて20種以上のアルゴリズムから自動的に最適化することで、少ない実験回数で高い予測精度を実現。短期間で開発目標到達に導きます。
クラウドでの最適化検討の結果をもとに、新たな製造工程データに対しソフトセンサー・異常検知の予測を行います。アプリはオフラインで動作するため、PCにインストールすれば製造現場のネットワーク環境に左右されず安定的に使用できます。
予測モデルのブラックボックス問題化学産業での新規の材料開発では、原料や配合、製造方法など実験条件の組み合わせは膨大にあり、従来技術者が知見や経験をもとに多大な労力を掛けて担っているといいます。
現在、さまざまな化学メーカーがAI・機械学習を用いて、実験データをもとに材料の物性・性状(目的変数)とその製造条件(説明変数)の関係性を学習し、目標とする物性・性状をもつ材料の製造条件を予測して開発プロセスを効率化する取り組みを進めているそう。
しかし、課題となるのが予測モデルのブラックボックス問題。機械学習の計算プロセスが複雑で、予測の根拠を理解することが難しく、結果に対する信頼性に疑問が生じることがあるようです。
そこでデータケミカル株式会社は、予測モデルにおいてどの変数がより予測に影響を与えているかを測る“変数重要度計算”を行う新機能を追加しました。
新機能で予測モデルの解釈性が向上今回の新機能では、CVPFI(Cross-Validated Permutation Feature Importance)と呼ばれる独自のアルゴリズムを使用。
従来の変数重要度の計算手法が抱えていた「特定の機械学習モデルしか対応できない」「データが少ないときなどでは安定的に計算できない」などの課題を改善し、汎用的に計算することができます。
新機能により予測モデルの解釈性が大幅に向上し、様々な技術テーマの研究開発に機械学習をより活用しやすくなります。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000099918.html
「Datachemical LAB」サービスサイト:https://www.datachemicallab.com/
(文・Haruka Isobe)