近年、物流・警備・災害対応など幅広い分野で注目されているドローンや空飛ぶクルマの利活用。この進展に伴い、エアモビリティの運航管理と安全対策の重要性が高まっています。
そんな中、テラドローン株式会社(以下、テラドローン)は、2023年7月3日に、グループ会社のUnifly社(以下、ユニフライ)の株式取得を行い、株式保有率が51.0%となり、子会社化したことを発表しました。
事業戦略の統合で、グローバルにおけるドローンや空飛ぶクルマの運航管理事業のさらなる拡大を目指し、空のインフラを構築する構えです。
ユニフライとUTMを推進してきたテラドローンテラドローンは、「空から世界を進化させる」というミッションを掲げ、国内外の10カ国に、自社開発した特許取得済みの測量用・点検用ドローンを提供しています。
2016年に創業した同社は、ドローン技術の持つ可能性を早期に見出し、業界全体の発展を支えるインフラとして、特に運航管理システム(UTM)の領域が重要であると考えました。
そして、当時黎明期であったドローン産業において、創業からわずか9ヶ月以内にユニフライへ出資。
この決断には、UTMへの強い期待と、ユニフライが当時すでに欧州各国の航空管制サービスプロバイダー(ANSP)を顧客に持ち、先駆的な取り組みを行っていたことが大きく影響しているようです。
欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績を持つユニフライユニフライは、ベルギーに本社を置き、主にドローンや空飛ぶクルマのUTMを開発しています。
現在は、カナダ・スペイン・ドイツ・サウジアラビアなど8カ国にANSP向けのUTMシステムを提供中。複数の国において国全体に自動承認を含むUTMオペレーションを提供している企業として、技術力と信頼性が評価されています。
なお、ドイツ政府傘下のANSPであるDFSが、2018年に出資して第二筆頭株主となりました。
ユニフライが持つ先進事例を日本のUTM事業に活用このたび、テラドローンはユニフライを子会社化し、事業戦略の統合をさらに進める方針です。
今後、ユニフライが持つUTMの知見や先行事例を活用し、政府や公的機関とも連携しながら、日本のUTM事業の活性化に寄与します。
特に、ユニフライの導入先であるカナダのANSP・Nav Canadaが実施している飛行従量課金モデルは、空のインフラ作りの一環として先進的な取り組みであると同時に、日本で新たな空のインフラを構築するための重要な参考事例となることが期待されています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000020194.html
テラドローン株式会社 公式サイト:http://www.terra-drone.net
(文・Higuchi)