日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関である独立法人国際協力機構(以下、JICA)のケニア事務所は、「Project NINJA(Next INnovation with JApan)」を通じて、NINJAアクセラレータープログラムの第3バッチを開始しました。
同バッチでは、ケニアで活躍するクリーンテック分野のスタートアップ5社を採択。16週間のアクセラレータープログラムを実施し、各スタートアップのニーズに合わせた支援を提供します。
スタートアップエコシステムの構築・発展を支援Project NINJAの目的は、イノベーティブなスタートアップが継続的かつ自律的に創出・育成され、スタートアップエコシステムの構築と発展を支援すること。
JICAは、同プロジェクトを通し、スタートアップエコシステムの強化、起業家精神の育成、政策提言、企業経営能力の強化、業界を超えた企業間協力、日本企業との連携や投資促進などを進めています。
ケニアでのNINJAアクセラレータープログラムケニアのNINJAアクセラレータープログラムでは、採択されたスタートアップに対して、事業成長に必要な各種パートナーシップの確立と、資金調達への準備を整えるために必要な機会や知見を提供。ケニアや東アフリカにおける効果的な事業拡大を支援します。
今回は、「アフリカアーリーステージインベスターサミット2023」への共同参加や、日本への招聘を通じ、日本を含めたケニア国内外のベンチャーキャピタリスト・機関投資家・事業会社・政府機関・戦略的パートナーとのネットワーキングや事業連携機会の場を提供します。
ケニアにおけるNINJAアクセラレータープログラムではこれまで、Wasoko、Kwara、Amitruckなどアフリカで注目されているベンチャー企業を多く輩出。数多くのグローバルおよび日本の投資家からの資金調達に成功しています。
プログラムに参加する5社のスタートアップ今回の採択企業5社は、すでに収益を上げているケニアのクリーンテックスタートアップの中から、経営陣・ビジネスモデル・成長性・潜在的なインパクトなどの基準に基づいて選定されました。
採択企業の1社であるBaridiは、保存分のみの支払いで利用可能なペイアズユーストア(Pay-as-you-Store)またはリース契約から機器購入オプションが得られるリース・トゥ・オウン(Lease-to-Own)で太陽光発電の冷蔵施設を小売店向けに提供する企業です。
また、特許取得済みの熱分解プロセスによって、プラスチック廃棄物をクリーンな調理ガスに変換することで、通常LPGガスまたは木炭を使用する低所得者層に対し、安全かつ手頃な価格でエネルギー代替品を提供するMegaGasも採択されました。
このほか、電動バイクのバッテリー交換ステーションを提供するMazi Mobility、IoTを活用して小規模農家に土壌テストと分析結果を提供するYcenter Shambah Solutions、プラスチック廃棄物を建設会社と開発者向けの建築材料に変換するTimao Groupも採択されています。
受託企業とパートナーJICAから今回のプロジェクトを受託したのは、アフリカにおいて社会および経済的インパクトを追求するベンチャー企業を支援するVCおよびコンサルティングファームのダブルフェザーパートナーズです。
日本に本社を構え、アフリカ(ルワンダ)、欧州(ルクセンブルグ)現地法人を中心にアフリカ9か国で事業を展開しています。
NINJAのパートナーとしては、ケニアナショナルイノベーション機関(以下、KeNIA)が加わりました。
KeNIAの最高経営責任者であるトニー・オムワンサ博士は「ケニア政府の10ヵ年イノベーション計画を実施するに当たり、JICAとの連携及び協力が重要な鍵となる」と述べています。
また、ケニアのスタートアップ支援機関GrowthAfricaも、プロジェクト実施パートナーとして参画。GrowthAfricaは、20年以上の経験を持つケニアで最古のアクセラレーターおよびアドバイザリーファームで、ウガンダ・エチオピア・ザンビアなどにオフィスを構えています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000042073.html
(文・Higuchi)