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エア・ウォーター子会社、インドの製鉄所向けオンサイトガス供給を受注。2025年に新プラント稼働へ

Techable 2023年9月30日 12時0分

エア・ウォーター株式会社の100%子会社であるAir Water India Private Limited(以下、エア・ウォーター・インディア)は、インド国営製鉄会社であるSAIL(Steel Authority of India Limited)社からインド東部のドゥルガプル製鉄所向けオンサイトガス供給を受注した。

今後、日本・アメリカ・インドのエンジニアリング部門が中心となり、最新鋭の深冷大型空気分離プラントの設計・製作を進め、2025年10月にガス供給を開始する計画だ。

オンサイトガス供給の実績と存在感を評価され実現

エア・ウォーター株式会社は、ガス供給に不可欠な深冷空気分離プラントの開発・設計・製作・運転・メンテナンス機能を一貫して保有すると同時に、日本国内の大手鉄鋼メーカーと緊密に連携し、製鉄所の操業に対応した高効率なガス生産と安定供給にかかわる実績とノウハウを蓄積してきた。

今回の受注は、インド国営製鉄会社であるSAIL社から、長年に渡る鉄鋼メーカー向けオンサイトガス供給の実績とインドにおける産業ガスメーカーとしての存在感を高く評価され、実現したものだ。

エア・ウォーター株式会社においては、インドで初となる大型深冷空気分離プラントの受注であると同時に、タタスチール向け(東部ジャムシェドプル工場)、JSWスチール向け(南部ベッラーリ工場)に続く、同国3カ所目の鉄鋼向けオンサイトガス供給拠点となり、飛躍的な成長に向けた着実な一歩を踏み出すこととなった。

新プラントの名は「エア・ウォーター・インディア ドゥルガプルオンサイト工場」。2023年9月から西ベンガル州ドゥルガプルに建設を開始し、2025年10月にガス供給を開始する計画だ。

インドの鉄鋼市場と産業ガスメーカーの結びつき

インドは、鉄鋼資源である鉄鉱石や石炭の産出国であることを強みとし、その鉄鋼生産量は2017年に1億トンを超え、2018年には日本を抜き中国に次ぐ世界第2位の生産量を誇る。

インド政府は、道路・建設等のインフラ投資や自動車をはじめとした製造業振興を進めるなかで、2030年度までに年間粗鋼生産能力を現在の倍以上となる3億トンにまで拡大する目標を掲げている。鉄鋼市場は今後も大きな成長が期待され、産業ガスの旺盛な需要が見込まれているとのこと。

そんななか、エア・ウォーター・インディアは「鉄鋼メーカー向けオンサイトガス供給の新規獲得」と「拠点拡充によるガスサプライチェーンネットワークの構築」を基本戦略に据え、市場成長を捉えながら継続的な事業拡大を図るそうだ。

2023年度末には、これまで未進出であった北部エリアに充填工場が稼働、さらに2024年10月には南部の主要都市チェンナイに使用電力の約4割を太陽光などの再生エネルギーで賄う液化ガス製造プラントの稼働を予定。

今後も需要に見合った設備投資を実行し、事業エリアをインド全域に広げ、産業ガスメーカーとして確固たるポジションを獲得していくとのこと。

インドの経済成長と共に発展していくパートナーとして

日本政府は、2023年のG20議長国であり「グローバル・サウス」の代表格として存在感を高めるインドと、政治・社会・安全保障などの領域で多面的に結びつきを強めており、なかでも経済面での連携強化は両国の大きな注力事項となっている。

今回、日系企業であるエア・ウォーター株式会社が、インド国営企業であるSAIL社との間で大型事業に取り組むことは、日印経済連携のなかでも重要な意義を持つものとして受け止めているという。

同社は今後も、インドの経済成長と共に発展していくビジネスパートナーとして、事業活動を通じて同国の経済成長に寄与し、新たな雇用機会の創出、CO2排出削減、衛生環境の改善といった社会問題の解決に取り組むことで、日印関係の一層の発展に貢献していく方針だ。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000114852.html

(文・我妻歩実)

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