National Payments Corporation of India (NPCI)は、アラブ首長国連邦(UAE)の中央銀行であるCBUAEの完全子会社・Al Etihad Payments(AEP)と戦略的パートナーシップを結び、インドの“RuPay”のような決済システムをUAEで確立することを目指すことを発表。
インドのピユーシュ・ゴヤール商務相は10月5日、X(旧Twitter)に、インドとUAEが産業と先端技術分野の協力に関するMoUに署名したことを表明した。
Strengthening partnership 🇮🇳🤝🇦🇪
India & UAE sign MoU on the cooperation in the field of Industries & Advanced Technologies.
Both sides also sign agreement for National Payments Corporation of India's international arm to partner with UAE for developing a Domestic Card Stack… pic.twitter.com/dX5oQ0gxQf
— Piyush Goyal (@PiyushGoyal) October 5, 2023
国内の決済システムをもつ意味とは?世界的に決済システムを確立しているVISAやMasterCard。彼らはクレジットカードやデビットカードを発行する銀行などの金融機関に決済システムを提供し、利用料を徴収している。
インドの中央銀行として金融政策を統制しているインド準備銀行(RBI)は、この利用料を自国内で完結させるべく、インド国内に決済システムを確立することを目的にNPCIを通じてRuPayを開発した。
世界中に広がるRuPayRuPayは、インドの通貨であるルピー(Rupee)と、“支払う”を意味するペイメント(Payment)を組み合わせた造語だ。
インド初のグローバルな決済システムであり、インド全土のATM、POS機器、Eコマースサイトで広く利用可能。RuPayを利用したクレジットカードやデビットカードは、公的セクター銀行、民間セクター銀行、地方銀行、協同組合銀行を含む1,100以上のインドの銀行で発行されている。
インドではクレジットカードよりデビットカードの方が一般的だが、RuPayはデビットカード市場において取扱高で35%、カード発行枚数で69%のシェアを占め、すでに一部の地域ではVISAやMasterCardのシェアを超えているとされる。
またブータン、シンガポール、ネパールなどの他国でも、RuPayを利用したカードの発行が開始され、さらなる広がりを見せている。
日本自体にはまだ導入されていないが、日本のJCBはNPCIとすでに提携しており、インドで「RuPay/JCBカード」の発行を2019年より開始、インドのクレジットカード市場に参入している。
さらに2023年8月には、Rupayを利用したクレジットカードとインドのUPI決済の接続を正式に開始。これにより、アプリやサービスを問わないシームレスな決済が出来るようになったほか、オンラインで支払う際に毎回入力が必要だったカード番号、CVV、その他のデータを入力する必要がなくなり、ユーザーの利便性は大きく向上している。
ますます便利になり世界中に広がりを見せるRupay、日本での活躍も近いのかもしれない。
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RuPay
文:はっさく(@hassakumacro)