原子や電子などの「量子」の特性を生かして情報を処理する“量子コンピュータ”。ビジネスチャンスを創出し、産業全体を再構築して変革するだけでなく、全く新しい産業を創造し発展させるものとして注目されている。
しかし現在、量子コンピュータのほとんどは研究所に設置されており、より広範なビジネス分野に適用するためには、安全なアクセスを提供することが最大の障壁となっている。
そんななか、量子コンピューティングのリーディングカンパニーである英国Oxford Quantum Circuits(以下、 OQC)はエンタープライズ向け量子コンピューティング・プラットフォーム「OQC Toshiko」の一般提供を開始することを11月に発表した。
量子コンピューティング・プラットフォーム「OQC Toshiko」OQC Toshikoは商用のデータセンターに併設されており、利用者が自社のデジタルインフラストラクチャ内で安全かつ簡単にアクセスすることができる。
データセンターに量子を導入することで、量子とHPCを統合したハイブリッド・コンピューティングを市場に提供することが可能に。先進的なネットワーキング・インフラである「デジタル・ファブリック・インターコネクト」を採用することで、顧客に安全なハイブリッド・コンピューティングを提供する。
OQCによると、この取り組みは世界初であり金融サービス、製薬、エネルギー、防衛、政府など機密データを扱う利用者にとって特に重要な意味を持つという。
SBIインベストメントがOQCの1億ドルラウンドをリードOQC Toshikoはプライベート・プレビュー版として提供され、今後数か月以内にパブリッククラウドやデータセンター・ファブリックを通じて利用可能になる予定だ。
OQCはOQC Toshikoの一般提供の発表に伴い、日本有数のベンチャーキャピタル・ファンドであるSBIインベストメントがOQCの1億ドルの資金調達をリードすると発表した。
同社によると今回のラウンドは、量子コンピューティング分野における英国史上最大のシリーズBであるとのこと。
業界をリードする研究開発により、量子優位性への道を拓き、数百量子ビットの次世代プラットフォームを世界中の企業に提供するOQCの能力をさらに高めるものとなるだろう。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000118311.html
(文・Haruka Isobe)