人々の“創作”を応援するべく、印刷機および周辺機器の開発、販売を行っているxTool。
xToolは、中国深セン市で2013年に創立されたMakeblock Co., Ltdが2020年に立ち上げた、メーカー向けのデジタルファブリケーション機器の開発に特化したサブブランド。Makeblock社は世界有数のSTEAM教育ソリューションのプロバイダーであり、世界各国の学校、教育機関、家庭向けにハードウェア、ソフトウェア、コンテンツおよびロボットコンテストを提供している。
同ブランドは今回、従来のスクリーン印刷プロセスをレーザー彫刻機により刷新するスクリーン印刷キット「xTool Screen Printer」のクラウドファンディングプロジェクトをKickstarterにて実施した。
手間と時間のかかるスクリーン印刷が手軽に楽しめるスクリーン印刷はこの時代にあってもなお、複雑で手間と時間のかかるもの。しかし、一般的なスクリーン印刷機は高価で場所を取るうえ、複雑なプロセス、清掃が必要とされる。
xTool Screen Printerなら、手軽にスクリーン印刷を実行できる。同製品では、レーザー彫刻機と両面塗工機を使用することで、通常はフィルム印刷と紫外線に当てて1~2日かかっていた工程をわずか1~3時間で実現する。
ねばねばした写真乳剤やフィルムシート、暗室での現像や高圧洗浄といった手間は不要だ。
精度0.01mmのレーザー照射でデザインの細部まで描くスクリーンを貼るフレームには、4方向に引っ張り固定するためのストリップと、6カ所のクイックレバーがあり、30秒ほどで取り付け可能だ。およそ24時間かかっていたステンシル作成は、レーザー照射によりわずか1時間に短縮された。
商品の当日完成、即日発送も夢ではなくなり、サンプルの提示もスムーズになるだろう。インクを変えての異なる基板への試し刷りも素早く行うことができる。
髪の毛一本よりも細い、精度0.01mmのレーザー照射でデザインの細部まで描くことができる。
フレームを固定するための器具があるため、毎回同じ位置に設置でき、精密な多色印刷も可能に。フレームはそのまま印刷用のラックにクランプできて、インクをのせて転写すればOKだ。
フレームとラックの要部分の可動域は60度と、印刷作業を妨げることはないし、またインク漏れの防止にもなる。ラックの高さは調整でき、厚さ最大60mmのものまでのせられる。
もっともアーティスティックといわれるスクリーン印刷で、あなたの作品をカラフルに仕上げることができるだろう。
「すべての人の創作を容易にすること」を目指して同製品をはじめ複数の印刷機を開発、製造するxToolは、すべての人の創作を容易にすることを目指し全力を注いでいる。
人間とほかの生物との違いは創造性の有無であり、誰もが創作意欲を持っていると信じているそう。人々の創作を助ける便利なツールは数多あるが、実際には、数百年前に人がナイフやハサミを使い始めて以来、創作のための道具は進化していない。
そこでxToolは、レーザーとソフトウェア技術を最大限に活かして、ナイフやハサミに代わる彫刻機やカッターの開発に尽力。これらのツールは人々の創作の助けとなり、作業をこれまで以上に楽しくしてくれるだろう。
(文・根岸志乃)