インフラ、貧困、感染症、難民や戦争といった多くの問題を抱えている国、アフリカ。
そんな同国において、ケニア発の2つの革新的なスタートアップ、電気バスの「BasiGo」と廃棄物管理の「Sanergy」は、それぞれの分野で顕著な成果を上げている。
この2つの新興企業は、世界の交通および廃棄物管理分野に新風を吹き込み、アフリカの未来に大きな希望を与える可能性を持っている。
BasiGo、電気バスで持続可能なコスト削減を目指すBasiGoは2016年に設立され、電気バスのバッテリーサブスクリプションサービスを通じて、ディーゼルバスと同じ低コストでの電気バスの運用を可能にした。
2023年には、ナイロビに高出力のDC高速充電ステーションを展開し、全てのバスをケニア国内で組み立てることを報告している。さらに、1000台以上の電気バスを2025年までに展開する計画を進行中である。この取り組みは、環境負荷の低減に大きく貢献し、アフリカ大陸のカーボン排出量を削減する可能性を秘めている。
最近(2023年10月時点)に、BasiGoはKCBとのパートナーシップを通じて、電気バスのための柔軟な資金調達オプションを導入した。このパートナーシップにより、顧客は最大90%の資金援助と36ヶ月の延長返済期間を享受することができる。
さらに、BasiGoは6.6百万ドルの新規資金を調達し、商業的に電気バスと充電インフラの配備を開始する予定である。
この資金調達ラウンドには、トヨタグループのベンチャーキャピタル部門である「Mobility54」、シリコンバレーの交通に特化したベンチャーキャピタル「Trucks VC」、アフリカ市場に特化したグローバルVCの「Novastar Ventures」などが参加している。
Sanergy、廃棄物を資源に変える画期的なシステムを開発2010年に設立されたSanergyは、スラム地区に衛生ユニットを展開し、有機廃棄物と人間の排泄物を昆虫フード、有機肥料、バイオ燃料に変換するという革新的な廃棄物管理方法を開発した。
2022年に同社は、世界経済フォーラムのアーバン・イノベーション・チャレンジにおいて決勝進出を果たし、その革新的な3段階の循環経済モデルが評価された。これにより、都市部の衛生状況改善と廃棄物問題の解決に寄与し、サステナブルな都市開発のモデルとしても注目されている。
さらに、日本国際協力機構(JICA)はSanergyに対して250万米ドルの投資を行った。この投資は、ナイロビでの廃棄物処理や農業開発を長年支援してきたJICAの経験を活用しつつ、同社の工場の操業やビジネス展開を支援するために使われる。その他、各国から多くの支援を得ることに成功している。
この2社は、経済発展と環境保護の両立を目指し、アフリカ大陸の未来に貢献している。彼らの動向はアフリカやアジアのみならず、世界から今後も大いに注目されるであろう。
文・Alley(有吉隆浩)
参考・引用
BasiGo公式サイト
Sanergy公式サイト