テクストの生成やデータ分析など、企業でのAI活用が広がっている近年。より実用性の高いAIサービスや、AI・データ分析のモデルを安定的に運用するプラットフォームを求める企業も多いだろう。
そこで今回はビジネスで役立つAI活用のシステムや、AI運用プラットフォームを紹介する。
ドイツ発・AI返信文作成システム「responseAI」まず紹介するのが、ドイツに本社を構えるTrustYou GmbHが7月にリリースした、AI返信文作成サポート製品「responseAI」だ。
responseAIは、AI技術を活用し、ゲストが宿泊施設に関して投稿する口コミに対して施設側から返信するコメント(テキスト)を自動生成・提案するシステム。
ホテルと口コミ投稿者の名前を認識するテクノロジーにより、好みのトーンや文字量で返信コメントを作成するほか、口コミの言語に基づいて自動翻訳(140言語以上)する。
また、施設特有のクレームや褒め言葉に対する返信方法をresponseAIに学習させることも可能だ。
宿泊施設の口コミ管理担当者は、ゲストから届くさまざまな口コミコメントに迅速に返信、回答することができ、施設からの返信コメントを待つゲスト(口コミ投稿者)の待ち時間を短縮できる。
なお、これまでTrustYou GmbHはresponseAIのクレジット消費回数を一定の回数に制限していたが、12月1日にクレジット消費回数を無制限とすると発表した。これにより、ホテル経営者の口コミ管理がさらに円滑になり、ゲストとより強固で長期的な関係を築けるようになるだろう。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000017267.html
米国発・AIモデルを作成・運用できる「DataRobot AI Platform」2つ目に紹介するのは、米国マサチューセッツ州に本社を置くDataRobot, Incの「DataRobot AI Platform」。AIモデルの作成やシステム適用後のAIモデルの運用など、AIを活用したいさまざまなフェーズで利用できるプラットフォームだ。
DataRobot AI Platformは、データからAIモデルを自動作成するAutoML/AutoTS機能、作成したAIモデルを運用するためのMLOps機能を搭載。AutoML機能で作成したモデルでも、それ以外のモデルでも同じ環境上でデプロイできる。デプロイ後は、APIを通じてすぐに利用可能だ。
AIモデルの稼働状況、データの質の変化(データドリフト)、正解データがあればAIモデルの精度を1つの画面で監視することが可能。異常がある際は監視画面にアラート表示するほか、メールで通知する。
「AIモデルをシームレスに運用管理したい」「AIモデルの稼働状況・精度、データの変化を監視したい」という企業にはぴったりだろう。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001470.000011650.html
企業のDXを推進するためのAI・データ分析関連の製品、サービス、アルゴリズムが数多く登場している近年。なかでも今回紹介したシステム・プラットフォームは、顧客への対応・AI開発・運用などの一助となるだろう。
(文・Haruka Isobe)