インドを拠点に、世界有数のデジタルエンジニアリングおよび研究開発サービスを提供するL&T Technology Services Limited(LTTS)は、インドで生成AIの成長を促進するnasscomとの提携を発表した。今後、同じ分野で事業を行うスタートアップ企業に対し、包括的なサポートを提供するという。
スタートアップに資金と専門知識を提供nasscomによると、インド国内のAI関連のスタートアップは、2021年から今年5月までに4億7500万ドル以上の資金調達に成功しており、この分野の急速な拡大と可能性が示唆されるという。
LTTSは、選ばれたスタートアップに資金と専門知識を提供することで、この成長を促したいとしている。同社は選ばれた26社のスタートアップに対し、継続的な関与を続けていく姿勢を見せている。
選出された会社はLTTSより指導を受け、製品開発やイノベーションロードマップへの支援を受ける。また、ブートキャンプや知識共有のためのワークショップを開催し、彼らの専門性を高めていく。
AI構築ソリューションを展開するLTTSインドに本社を置くLTTSはLarsen & Toubro Limitedの上場子会社で、エンジニアリングと研究開発サービスを展開している。
製品およびプロセス開発のライフサイクル全般にわたり、コンサルティング、設計、開発、テストサービスを提供。顧客には、工業製品、医療機器、運輸、通信・ハイテク、プロセス産業など、フォーチュン500社中69社、世界トップクラスのER&D企業57社が含まれる。
LTTSは、AIとデジタル・エンジニアリングの世界的トップランナーとして、高度なAIソリューションを創造するためのさまざまな専門知識を有している。
ポートフォリオとしてはAiKnoとChest-rAiが挙げられる。AiKnoは、企業がAIを業務に滞りなく取り入れるのを容易にしてくれるプラットフォームだ。
一方Chest-rAiは、放射線科医向けに開発されたAIツール。ディープラーニング・アルゴリズムを採用し、胸部X線を精査して異常を検知し、より迅速で正確な診断を促す。
インドのテクノロジー産業の声を代弁するnasscomnasscomは、インドを世界有数のテクノロジー・エコシステムにすることをビジョンに掲げ、2450億ドルにのぼるインドのテクノロジー産業の声を代弁する存在となっている。
nasscomのネットワークは、DeepTechやAIのスタートアップから多国籍企業まで、また製品からサービス、Global Capability Centers(GCC)、エンジニアリング企業まで、業界の全領域に及んでいる。
将来即戦力となる人材の大規模育成を加速させ、国内外を問わず新たな市場を創出することなどを使命としている。
AI技術の発展を信じてnasscom・AI部門の責任者であるAnkit Bose氏は、今回の提携について「私たちは、国内のみならず国際的にもAI産業を革新し、変革するスタートアップの力を信じています。LTTSとの協力は、このビジョンに向けた大きな前進であり、有望なスタートアップに必要な資金と専門知識を提供するものです」と述べている。
一方、LTTSの最高執行責任者兼取締役であるAbhishek Sinha氏は「我々は、インドの起業家エコシステムとの関わり強化を熱望している。生成AI分野のスタートアップの成長を促し、彼らが国内外に大きなインパクトを与えられるよう支援したい。AI技術の発展が国のデジタル経済に大きく貢献できると信じ、nasscomとの提携を楽しみにしている」とコメント。
LTTSと生成AIスタートアップとのコラボレーションが、インドに於けるスタートアップ強化につながるか注目したい。
参考・引用元:
L&T Technology Services 公式サイト
L&T Technology Services プレスリリース
(文・根岸志乃)