アメリカをはじめ、グローバルに展開するデータクラウド企業「Snowflake」は、クラウドでのデータ共有プラットフォームを展開するスタートアップ企業のSamoohaを買収した。
この買収により、Snowflakeは「データクリーンルーム」と呼ばれる、個人のプライバシーに配慮する形で顧客や消費者のデータ分析が進められるクラウド環境を獲得。企業間のデータ共有、分析などを安全に行うことが可能になるという。
カリフォルニアで設立されたデータクラウド企業「Snowflake」Snowflakeは、2012年7月にカリフォルニアで設立されたクラウドベースのデータウェアハウジングサービスを提供する企業。企業がデータを保存、処理、分析し、洞察を得るための強力なツールを提供する。
同社は、データウェアハウジングの専門家であるBenoît Dageville氏、Thierry Cruanes氏、Marcin Zukowski氏の3名によって創立。Dageville氏とCruanes氏は以前、Oracleでデータアーキテクトとして働き、Zukowski氏はオランダのスタートアップVectorwiseの共同創立者であった。
現在のCEOはFrank Slootmanで、2019年にこの役職に就任。以前は、クラウドサービス会社ServiceNowのCEOを務め、同社を年間約1.4億ドルの収益から上場し、さらに増収させることに成功した。
安全なデータ共有ソリューションを提供する「Samooha」Samoohaは、企業のデータエコシステムの能力を最大限に引き出すための安全なデータ共有を実現するプラットフォームを開発している組織。AppleとMicrosoftでプライバシー強化技術を開発し、成功を収めたKamakshi Sivaramakrishnan氏とAbhishek Bhowmick氏によって設立された。
Samoohaは、安全で簡単なエンタープライズデータ共有のためのソリューションを提供している。同社は、データクリーンルーム分野で競合他社との差別化を図り、特にヘルスケア、金融サービス、広告、小売、エンターテインメントなどの業界に焦点を当ててきた。Snowflakeの技術基盤と相まって、この取り組みは市場における競争力を高めることが期待される。
今後もデータクリーンルーム技術のニーズは増加する?データクリーンルーム技術への投資は、長期的には投資家の期待を上回り続けているSnowflakeにとって有利な決定となる可能性があるという。
Gartnerによると、メディアに年間10億ドル以上を費やしている広告主の80%が、年末までにデータクリーンルームを使用するようになると予想している。これにより、分析、キャンペーン結果の測定、データ統合の容易化などのアプリケーションが向上されることが期待される。
また、別の世論調査によると、2022年と比較して今年はデータクリーンルームに重点を置くと考える米国のマーケターは29%であった。これは、Snowflakeの関心を考慮すると、確かに不可能ではない予測だといえる。
参考・引用元:
Snowflake 公式サイト
Snowflake ニュース
(文・よし @yoshibizcom)