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“ステノ”デビューにも最適。速記キーボードAsteriskがクラファン成功、小論文の入力に苦労した経験から開発

Techable 2024年2月4日 18時0分

普段パソコン作業をしている人の中には“入力速度をもっと上げたい”という人も少なくないだろう。そんな人におすすめしたいのが、新鋭のキーボード「アスタリスク(Asterisk)」だ。

同製品は、クラウドファンディングサイトKickstarterにてプロジェクトを成功させた注目の“ステノ(速記*)キーボード”。出荷開始時期は5月を予定している。

わずか26キーで速く入力できる!

ステノ(速記)キーボードとは、一般的なキーボードよりもキーの数が少なく、欠けているキーを文字の組み合わせで表現するユニークなキーボードだ。複数のキーを同時に押して1度の打鍵で言葉を打ち出すため、効率的に入力できる。

そんなステノキーボード界隈に、新たに登場したのがアスタリスクである。キーの数がわずか26と少ないにもかかわらず、通常のタイピング以上のスピードに達するという。

アスタリスクは物理スイッチの代わりにタッチセンサーキーを使用。オープンソースの速記ソフトウェア「Plover」(Javelinとも互換性あり)をコンピュータにインストールすれば、通常のキーボードの入力を変換できる。

打鍵感はないものの、手をかざすだけで敏感に動きを察知するため、スピードを重視するユーザーにとって強い味方となるだろう。

なおアスタリスクの本体はグラスファイバー複合材料でできており、非常に壊れにくい。また薄くコンパクトな設計なので、持ち運びが簡単。出先での作業においてもアクティブに役立ちそうだ。

10本の指を同時に使う仕様で、体への負担を軽減

一般的なキーボードを使用する際、全部の指を使わずに動かしやすい指だけでタイピングする人もいるだろう。しかし、そのタイピング方法では特定の指に負担がかかりやすくなる。

アスタリスクはキーの数が少なく、10本の指を同時に使う仕様のため、体への負担は少ないという。タイピング業務で、腕や指の疲れに悩まされている人にはおすすめだろう。

初心者でも簡単に速記を学べる

ステノキーボードでは通常のタイミングとは違った“速記特有の打ち方”をするため「難しいのでは?」と不安を抱く人もいるだろう。しかし、アスタリスクでは誰でも簡単に速記法を学べるという。

タイピングテスト風景を記録したビデオでは、タイピストが実際に一般的な単語・フレーズを入力する場合に150~190wpmを超える速度に達している様子がみられた。

このタイピストはアスタリスクでのタイピングに慣れていないとのことだが、テストが進むにつれて慣れたのか、徐々にスピードが速くなっていた。

開発者は米カリフォルニア州出身の弁護士兼発明家

アスタリスクを開発したのは、米カリフォルニア州サイプレスにあるStenoKeyboardsという企業だ。同社を創設したピーター・パーク氏は、同州出身の弁護士であり発明家である。

ピーター氏のキーボードデザインのキャリアは、2021年にUni v3を発表し成功を収めたことから始まった。それ以降、Polyglotキーボードを発表している。

ピーター氏が速記法の存在を知ったのは2020年8月で、ロースクールの小論文の入力に苦労していたときだった。練習用の小論文を制限時間内にタイプできず、従来のキーボード操作の遅さにイライラし、「もっと効率的な打ち方があったら…」と思ったそうだ。

インターネットで検索を続けた結果、ピーター氏は速記法を発見。わずか23個のキーの組み合わせでタイプする方法だった。彼は高速入力を学ぶためにキーボードが必要だったので自分で作ることに。Uniキーボードからスタートし、速記を学びたい人たちのためにキーボードを作り、製品を共有するべくStenoKeyboardsを立ち上げた。

こうした経緯をたどり、ついに誕生となったアスタリスク。これから速記を学びたい人や、より速く効率的に入力をこなしたい人に重宝されるアイテムとなりそうだ。

参考・引用元:
Kickstarter
StenoKeyboards

(文・根岸志乃)

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