2022年設立の米国スタートアップMedallionが、1370万ドルの資金調達を実施したことを公表した。同社は音楽アーティストが直接ファンとつながるためのプラットフォーム「Medallion」を提供している。
音楽アーティストとファンのつながりをより強固にMedallionは、アーティストが自分の音楽やコンテンツをファンと共有し、収益を生み出すためのチャンネルを提供する一方で、ファンはMedallionを通じて、アーティストのコンテンツへのアクセスや独占的な経験を得られるサービス。
具体的にはアーティスト側はアルバムのリリース、ツアー日程、グッズの宣伝を行い、ファンはMedallionを通じてそれらの情報を得られる…というサービス内容だ。
音楽視聴・先行チケット販売の機能を導入予定さまざまな音楽配信プラットフォームやストリーミングサービス、ソーシャルメディアが登場している近年。アーティストは、ファンとの交流の管理が複雑なサードパーティ(第三者が管理する)プラットフォームを避けるようになっている。
しかし、ファンの立場からすると、アーティストをフォローして“つながる”方法はたくさんあるものの、オンラインでの交流は少ないという。
こうした課題に対応するべく、Medallionは今回調達した資金を活用して、先行リリース音楽の視聴や先行販売チケットの提供などといった早期アクセスが可能となる機能を導入する予定であると発表。
また、アーティストはポスターやトレーディングカードなどの新しい独占的・限定的なデジタルコレクション/NFTを販売できるようになるという。
Medallionはこれら取り組みにより、多くのアーティストがファンとのオンライン上での関係の管理の効率化や直接的なつながりの強化につなげたいと考えている。
イギリス、オーストラリア、ドイツのアーティストへ展開Medallionは最近、イギリス、オーストラリア、ドイツのアーティストに新たな収益プログラム「Digital Deluxe」を展開している。Digital Deluxeは、アーティストが音楽プレーヤーを組み込んだデジタル版の音楽アルバムを販売し、ダウンロード可能なオーディオ、画像、ビデオを提供するというもの。またアーティストは、Shopifyとの統合を通じて物理的なアイテムを販売することも可能だ。
なおMedallionはアーティストが無料で使用できる代わりに、プラットフォーム上で発生した売上の一部を手数料として負担する形となっている。手数料の額については明らかにされていない。
本格的な利用は2025年以降の予定現在、Medallionを利用してファンコミュニティを強化しているアーティスト数は20だという。2023年11月には、アメリカのロックバンド“グレタ・ヴァン・フリート”がメダリオンを活用してファンコミュニティ「Electric Tomb」を作成したと報道された。
最新リリース「Starcatcher」のプロモーションのため、同バンドはレコードレーベルらと協力し、Spotifyの視聴履歴にもとづくコレクションをコミュニティのメンバーへプレゼントした。その結果、キャンペーン開始から24時間以内に数千人の新規コミュニティ・メンバーを獲得したという。
Medallionは、2024年にプラットフォームの利用可能範囲をさらに数百人のアーティストに拡大する予定だ。なお広く利用できるようになるのは2025年以降になる予定である。
参考・引用元:Medallion 公式サイト
(文・よし @yoshibizcom)