2011年にイスラエルで設立されたVayyar Imagingは、従来の画像処理にとどまらない先進的なセンサー技術を開拓し、注目を集めている。
4Dイメージングセンサーを展開するVayyar ImagingVayyar Imagingは、4Dイメージングセンサー分野におけるリーディングカンパニー。高周波技術の専門知識を活用し、従来の画像処理の能力を超えるセンサーを開発している。
Vayyar Imagingの4Dイメージングセンサーは壁や物体を透過し、環境内のすべてをリアルタイムで追跡・マッピングすることが可能。人や物体を高い精度で検出する。
ほかの製品とは異なり、同社のセンサーはカメラや光学系にもとづいていないため、あらゆる照明・気象条件に対応し、常にユーザーのプライバシーを維持する。低コストなのもポイントだろう。
Vayyar Imagingの4Dイメージングレーダーソリューションの中核となるのは、デジタル・アナログを問わず、さまざまなRFコンポーネントを搭載した4Dイメージングレーダーチップ。
このチップは、最大72個の送受信機により、3~81Ghzの超広帯域(UWB)およびミリ波の周波数帯に対応する。デジタルシグナルプロセッサー(DSP)やMCUも内蔵しているため、複雑な信号や画像の処理も可能だ。
3D画像を生成、ピンポイントで乳がんを検出Vayyar Imagingは「高周波技術を使用して早期乳がんを検出するより効果的な方法を開発する」というビジョンからスタートした。
同社は乳がん検診ソリューションとして、手持ち式スクリーニング装置を開発。この装置は高解像度3D画像を生成し、ピンポイントで乳がんを検出するというもの。
マンモグラフィーに比べて費用対効果に優れ、不快感を大幅に抑えながら乳房組織内の腫瘍を検出するという。
自動車・スマートホームなど多様な分野へ展開Vayyar Imagingは自社テクノロジーが成熟するにつれて、医療だけでなく自動車、スマートホーム(オフィス)、ロボット工学、小売、RF テストなど、さまざまな業界に向けたソリューションを作成した。
自動車の分野では、4Dイメージングレーダー チップを活用して、赤ちゃんの検出、シートベルトリマインダー、侵入者警報などの「車内ソリューション」や、先進運転支援システム(ADAS)開発ソリューションを提供している。
スマートホーム(オフィス)の分野では自社のチップを活用して、建物サービスと管理システムを最適化しながら、アクセス制御と緊急対応を可能にするリアルタイム インテリジェンスを提供している。
同ソリューションでは豊富なリアルタイム データにもとづいて、照明、空調設備、エレベーター、家電製品を最適化。電力消費量と人員を監視してエネルギーを節約する。
幅広い用途に対応した手頃な価格のセンシングソリューションを提供しているVayyar Imaging。今後も同社のテクノロジーの利用拡大に期待したい。
参考・引用元:Vayyar Imaging公式サイト
(文・Techable編集部)