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CTCがマサチューセッツ工科大発スタートアップと協業。エッジデバイスの処理能力UPへ

Techable 2024年2月25日 10時0分

近年、カメラやIoTセンサーなどのエッジデバイスが取得したデータを、デバイスに搭載したコンピュータで即時に処理する“エッジAI”が注目されている。

エッジAIは、デバイスの近くにAIを置くことで、サーバとの通信コストを減らしながらリアルタイムでの解析や判断ができるため、自動運転や店舗カメラでの顧客行動分析、工場における異常検知などでの活用が期待されている。

そんななか、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、米国マサチューセッツ工科大学発のスタートアップであるLiquid AI, Inc.(以下、Liquid AI社)と、エッジAIソリューションの開発に向けた協業を開始した。

最小限の処理能力で順応性の高い機械学習を可能にする「Liquid Neural Network(リキッド・ニューラル・ネットワーク、以下:LNN)」と呼ばれる手法にもとづくLiquid AI社のAIを活用して、エッジデバイスでの処理性能の向上を目指す。

予期せぬ状況でも柔軟に学習する“LNN”とは?

CTCは、伊藤忠商事グループの主要子会社。コンサルティングから設計、開発・構築、運用・保守サポートまで、先進のテクノロジーにもとづくクラウドサービスや製品を組み合わせたソリューションを提供し、DXや社会課題の解決に貢献している。

今回、同社が協業するLiquid AI社は「有能で効率的かつ高度な機能を備えた最先端の汎用AIシステムを構築する」という使命を持って生まれたスタートアップ。MITコンピューターサイエンスおよびAI研究所(CSAIL)の科学者チームによって、2023年に設立されたばかりだ。

Liquid AI社は企業のAI推進を支援するために、LNNを活用した最先端のAIシステムを開発している。

LNNは、事前に学習したデータから逸脱した未知の環境や予期せぬ状況に対しても柔軟に学習するという、ニューラル ネットワークの一種。ドローンや車両の自動運転への活用に期待されている。

一般的な機械学習のモデルでは約10万個のニューロンを必要とする自動運転に関する計算を、LNNでは19個のニューロンで算出し、同等の結果を得ることが可能。

エッジデバイスや利用者の近くに設置する小型コンピュータで動作するため、これまで膨大な計算コストを必要としていたAIシステム基盤の縮小にもつながり、電力消費量、CO2の排出量の削減を図ることができる。

Liquid AI社のAIを活用し、エッジAIソリューション開発へ

今回の協業で、CTCはカメラを活用したエッジAIソリューションの提供やデータ分析基盤の構築で培ったノウハウをもとに、Liquid AI社のAIを活用し、カメラソリューションや自動運転、ドローン管理などのエッジAIソリューションの開発を進める。

同社は2023年4月から海外のスタートアップとより強固なパートナーシップを構築し、ビジネスの共創につなげる取り組み「NAPP(North America Partnership Program)」を開始しており、今回の協業はその一環である。今後LNNを活用するためのPoCや、データ分析などのサービス、大規模なAIシステムの省力化に向けた技術検証に取り組む方針だ。

参考元:
PR TIMES
Liquid AI社 公式サイト

(文・Haruka Isobe)

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