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GoogleやAppleで働くメンターと求職者をつなぐ。米Pathriseの“IT人材向け就活支援プログラム”

Techable 2024年6月7日 20時0分

アメリカではIT業界の雇用の拡大が見込まれている。アメリカ労働省の労働統計局は2022年から2032年にかけ、同業界の雇用は他の業界と比べても著しく成長すると予測。雇用の増加と、離職者の補充を考慮にいれると、毎年38万人程度の求人が見込まれるという。

求職者にとっては年収の高さも魅力的だ。2023年5月時点で、IT業界の年収の中央値は10万ドルを超えており、全職業の年収の中央値である4万8000ドルの2倍以上にもなる。

そんなIT業界への就職を後押しするのが、2017年設立のPathriseというスタートアップだ。履歴書の作成や面接対策などのサポートはもちろん、経験も実績も豊かなメンターによる1対1での相談も行っている。

ユーザーは申し込みの段階で支払うこともできるが、就職が決まってから毎月返済していくことも可能だ。

就職活動の全ステップを支援するプログラム

PathriseはKevin Wu氏とDerrick Mar氏によって設立された。CEOを務めるKevin氏は大学で電気工学やコンピューターサイエンスを専攻。Salesforceでフルタイムのソフトウェアエンジニアとしての職を得て大学を中退し、教育系テック企業を経て大学に戻った。そこで数え切れないほど優秀な学生に出会うが、全員が理想の職を得られているわけではなかった。

Kevin氏は、自身がIT業界で就職できた要因が、大学で学んだスキルではなく、人脈づくりだったことに気づいた。そして自身の経験をもとに、Derrick氏とともに、学生向けのキャリアアドバイスを始める。彼らのアドバイスは、大学のキャリアアドバイスよりも学生の役に立つことがわかった。

この経験の中で「履歴書の書き方から給与交渉まで、就職活動の全てのステップを支援する学生のためのプログラムがないのはなぜか」という疑問を抱き、プログラムを作成したのだ(参考)。

Pathriseのプログラムの成果には、目を見張るものがある。たとえば応募に対する反応率は2〜4倍になり、給料も10〜20%アップするという。Pathriseで就職活動に成功したユーザーは累計2600人を超えており、中にはAmazonやGoogle、OpenAIなどに採用されたケースもある。

テクノロジーと人の強みを活用したサービス

Pathriseは自社サービスを「独自のテクノロジー、データに基づいた戦略、メンターとの1対1の面談を通じて、履歴書作成、面接対策、人脈づくり、給与交渉をサポートすること」と定義している。テクノロジーと人(メンター)の強みを活用していると言えるだろう。

テクノロジーの活用例としては、「Career Connect」というChromeの拡張機能が挙げられる。この拡張機能は採用担当者メールアドレスを見つけ、AIで最適化されたメールを作成。このメールを応募書類に添付すると、面接を受ける確率が3倍になることがわかっている。自動的にフォローアップメールを送ることも可能だ(参考)。

また、専門家の顔ぶれも充実している。業界メンターのほか、マインドセットコーチ、交渉コンサルタント、キャリアメンターが在籍。たとえば技術職の面接対策は業界メンターに依頼し、企業との交渉術は交渉メンターに学ぶことで、理想の職を手にできる可能性が高まる。メンターの中にはGoogleやApple、Amazonといった大企業で働いているビジネスパーソンもいるため、安心して相談できるだろう。2019年にはKevin氏とDerrick氏がForbes誌の「世界を変える30歳未満の30人」に選出された。さらに、2022年には1700万ドルの資金調達に成功するなど、投資家の期待も高い。今後のIT業界の雇用の拡大とともに同社が成長できるか、注目したい。

参考・引用元:
Pathrise
米労働省労働統計局
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CrunchBase

(文・里しんご)

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