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ドイツの風力タービンに“木製ブレード”導入。風力発電の「さらなるサステナブル化」

Techable 2024年5月31日 15時0分

ドイツの風力タービンブレードメーカーVoodin Blade Technologyは「LVL(単板積層材)」を使用した全長19.3mの木製タービンブレードの試作品を、ドイツ・ブロイナにある既存の風力タービンに設置した。

LVLを風力タービンブレードに利用することでCO2排出量を最大78%減少させ、製作コストを最大20%削減できる。

この技術により、風力発電の最終課題であったタービン製作時の環境負荷が軽減され、風力エネルギーが「真にサステナブルなエネルギー」へと昇華すると期待されている。

LVLによる風力発電のさらなるサステナブル化

風力タービンブレードの通常の寿命は20~25年程度。現在、前世代のブレードが運用寿命の終わりに近づいているため、次世代を担う「より持続可能な新しいタービンブレード」の導入が急がれている。

Voodin Blade TechnologyのCEO、Tom Siekmann氏は「ほとんどのブレードは、役目を終えたあと地中に埋められるか焼却され、このままでは2050年までに5,000万トンのブレード廃材が生まれる」と述べている。

そんな中、今回発表されたのがLVLを活用した木製タービンブレードの試作品だ。

リサイクル可能、輸送による環境負荷も軽減

LVLとは、薄い木の単板を層状に積み重ね、接着剤で結合した木材加工品。

LVLを活用したVoodin Blade Technologyのタービンブレードは、リサイクルできない「ガラス繊維」や「エポキシ樹脂」を利用している従来のブレードに比べ、リサイクル性が大幅に向上している。

また、LVLでできたタービンブレードは、生産自動化により「ブレード輸送による環境負荷の軽減」にも寄与する。Voodin Blade Technologyは「CNCミリングマシン」という機械をLVLブレード生産に使用しており、製造工場にて“型なし”での高度な生産自動化を実現している。自動化のレベルを上げることで、将来的に生産に必要な労働力も抑えることが可能だ。

その結果、現在一般化している労働コストの低い国での製造も不要になる。つまり風力発電所に近い場所での生産も可能になり、輸送によるコストやCO2排出量も削減できるのだ。

耐久性が高く、厳しい環境にも適応

LVLは非常に耐久性が高く、LVLを使ったタービンブレードは現在使われているブレードより長持ちする。

実際、Voodin Blade Technologyの共同創設者であるJorge Castillo氏は以下のように説明している。

「過去2年間で行われた何百ものテストによって、私たちのブレードが既存のガラス繊維ブレードよりもさらに耐久性があることが証明された。LVLは物理的負荷による強度の摩耗が少なく、過酷な天候条件にも難なく耐えられるだろう」

同社はグリーンエネルギーを「真にグリーンなエネルギー」にするための次のステップとして、より大きな60mと80mのブレードを含む新たな試作品の製作に取り組んでいる。

参考・引用元:
Cision News
Voodin Blade Technology

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