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カナダOSCP、ドローンをスマート化する光学センサー開発。正確なナビで“自律飛行”をサポート

Techable 2024年6月27日 10時0分

近年、ドローンや自律運転車(AV)が、鉄道輸送や軍事用途に加えて農業、鉱業、地図作成、調査作業、さらにはトラック輸送、配送、その他の輸送業界で多く使用されている。

Intellectual Market Insights Researchによると、商用ドローンの世界市場は2022年に81億5,000万ドルと評価されており、2031年までに1,538億2,000万ドルに成長するという。また、AV市場は2032年までに1,174億ドルに達する見込みだ。

次世代のモビリティとして期待されているドローンとAV。これらの市場において今求められているのが、正確で低コストな“ナビゲーションセンサー”を見つけることだ。

そんななか、カナダのOne Silicon Chip Photonics(以下、OSCP)が、航空宇宙産業で使用されるナビゲーションセンサーの精度に匹敵する慣性光学システムを、低コストで開発したと発表した。

MEMS IMUよりも10倍正確。GPS信号なくても正確なナビが可能

OSCPはカナダのモントリオールを拠点に、統合光学モーション センサー(加速度計とジャイロスコープ)を設計、開発、製造している企業。ドローンやAVのアプリケーション向けに、コンパクトで信頼性の高い、低コストかつ低消費電力、そして高性能の光学モーションセンサーを提供している。

今回、OSCPが発表したシステムのチップには可動部品がないため、商用のマイクロ エレクトロ メカニカル システム慣性計測ユニット(MEMS IMU)よりも10倍も正確で、GPS信号が利用できない場合でも非常に正確なナビゲーションが可能だという。

開発にあたりOSCPは、自律型鉄道システムを開発しているフランスの多国籍企業Thalesと提携し、プロトタイプを現場でテストしてきた。その結果、Thalesによると鉄道輸送にプロトタイプセンサーの使用で車両の自律性が向上したという。また、移動ブロック信号と合わせて鉄道の容量を最大50%増加させ、エネルギー消費を15%削減できる可能性があるとしている。

総額540万ドル調達、新センサーの商品化を目指す

OSCPは最近、7percent Venturesと2050 Capitalから120万ドルのシード資金を確保している。この資金は、カナダ持続可能開発技術機構(SDTC)、次世代製造カナダ(NGen)、およびテクノクライマット プログラムの下で、カナダのケベック州環境省の気候、野生生物および公園部門からOSCPに提供された合計420万ドルの助成金を補うものだ。

OSCPの創設者兼CEOであるKazem Zandi氏は「この総額540万ドルの資金により、当社は営業・開発チームを拡大し、センサーの商品化を加速することができます」と述べている。

参考・引用元:
OSCP
PR Newswire

(文・坂土直隆)

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