2022年時点で約6.8億人の人口数を記録している東南アジア諸国連合(ASEAN)。加盟国ではデジタル化が急速に進んでおり、東南アジアのデジタル経済は2030年までに1兆ドルに上ると見込まれている。東南アジアには若くてテクノロジーに精通した人口も多く、デジタルバンキングの普及に有利な環境なのだ。
そんな中、デジタルバンキングとBanking-as-a-Service(BaaS)のグローバルリーダーであるMbanqが、東南アジア市場への本格展開を開始。まずは東南アジアのフィンテック企業であるIG Tech Cambodiaとの戦略的提携を通じて、金融サービスの変革を図る。
1兆ドル規模のデジタル経済が花開く東南アジアMbanqとIG Tech Cambodiaは今回の提携において以下の分野に注力するという。
・カンボジアと東南アジア市場へのBaaSとバンキングテクノロジーソリューションの提供
・東南アジアのブランド企業向けの組込み型バンキング
・Mbanqのソリューションとサービスのグローバルなフィンテック研修センターの設立
・東南アジアとグローバルでのテクノロジー開発力の強化
今後Mbanqはカンボジアを足掛かりに、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムへとBaaSを拡大していく予定だ。
Mbanqが注目する、東南アジア市場の魅力Mbanq CEOのVlad Lounegov氏は次のように述べている。
「東南アジアは、フィンテックとデジタルトランスフォーメーションが急速に進む有望な市場だ。同市場にMbanqのBaaSと最新のバンキング技術を提供することで、金融機関に大きな恩恵をもたらすことができる」
IG Tech CambodiaのPuthkiry Kim会長によると、東南アジア著国の中でもカンボジアは、スマートフォン普及率が80%を超えており、ニッチ市場向けの新しいデジタルバンキングプラットフォームによる技術主導の大規模なイノベーションが期待される国だという。
同氏は「世界をリードするBaaSのテクノロジーとサービスを東南アジアにもたらすためにMbanqとのパートナーシップを深化させることを嬉しく思う。Mbanqとはすでに8年間の提携関係にあり、その世界的な成長には感銘を受けてきた。革新的なデジタル金融サービスに対する強い需要がある東南アジアで、Mbanqの成功を再現できると確信している」と述べた。
東南アジアの経済発展の一助へMbanqは2016年の設立以来、急速な成長を遂げてきた。現在、世界7カ所(本社:米国)にオフィスと研究開発拠点を構え、250名以上の従業員を擁するグローバル企業へと発展した。2019年には黒字化を達成するなど、フィンテック業界の中でも特異な存在だ。
Mbanqは、Temenos、Galileoといった大手企業とのパートナーシップを通じて、テクノロジーとサービスを強化している。また、Agility Fourを買収してクレジットユニオン市場に参入するなど、M&Aにも積極的だ。現在、同社がクライアントプラットフォームで管理しているアカウント数は数百万にのぼる。
高度な規制対応力、最新テクノロジー、業界特化型ソリューションを兼ね備えたMbanqは、デジタル化が加速する東南アジアで金融機関の進化を牽引していく存在となるだろう。
参考・引用:
Mbanq
Business Wire
(文・嘉島亜麻実)