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タイ・チュラロンコン大学が“卵白米”を新開発|ヘルシーで高タンパク、糖尿病患者などの助けに

Techable 2024年7月31日 20時0分

米は日本をはじめ、アジア圏で主食として食べられている。一方で、糖尿病患者など摂取量を制限すべき事情をもつ人も少なくない。

こうした需要にこたえ、タイ・バンコクのチュラロンコン大学医療科学部の研究チームは、米の代替品として、卵白から作った“卵白米”を開発。「eggyday」というブランド名で発表した。

栄養価が高くヘルシーなeggydayの卵白米は、バンコク国際知的財産発明革新技術博覧会で賞を受賞。この賞は、食生活に健康的な選択肢を求める消費者・患者の両方に、健康的な代替食品の品質を保証するものだ。

現在、eggydayの卵白米は大手デパートなどのほか、オンラインショップでも購入できる。

卵白から作った、低カロリーで栄養豊富な代替品

eggydayの卵白米は、卵白から作った小麦粉不使用の代替品。同製品は低カロリーで、良質のタンパク質、カルシウム、食物繊維を豊富に含んでいるとされ、体重管理に努める健康志向の人、高齢者、糖尿病患者などに最適だ。またグルテンフリーであるため、アレルギーをもつ人の助けにもなり得る。

卵白米は冷蔵保存不要で最長18か月保存が可能。加熱殺菌されており、そのままご飯として食べたり、チャーハンやお粥などの調理方法で食べたりできる。

チュラロンコン大学医療科学部の栄養学科教授で、卵白米製品の研究プロジェクトの責任者であるSirichai Adisakwattana教授によると卵白米は、本物の米の見た目、食感、味を模倣した製品であるため、消費者は毎日食べている米と何ら違いを感じないという。

タンパク質変換技術で卵白を“卵白米”に変身

卵白を卵白米に変身させるために、研究チームはタンパク質変換技術を使用している。

ゲル化剤と卵白タンパク質をカプセル化したナトリウム溶液とのゲル形成反応という重要な工程を経て、実際の米粒に似せて細長く、末端が丸い米粒を成形。次の工程では、米粒の形状を維持したまま121℃の加熱殺菌に備える。

その結果、合成米粒は柔らかくモチモチした食感を持ち、実際の米粒とそっくりでありながらデンプンや脂肪を含まず、低カロリーでカルシウムが多く、味の優れたものに仕上がる。

Sirichai Adisakwattana教授は製造工程について「最も重要なのは、卵白タンパク質の栄養価が製造工程によって低下しないことです」とコメント。

同氏は現在、この技術を利用して、 植物由来の代替タンパク質を求める消費者に提供するため、大豆やさまざまな種類の豆から作られた「100%未来タンパク質米」の開発を計画中だ。

参考・引用元:
eggyday
PR Newswire
eggyday公式オンラインショップ

(文・Haruka Isobe)

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