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デジタルウォレット不要、支払いは1回のみ|ブロックチェーン上にデータ保存できる分散型ストレージ「Stakes on a Chain」

Techable 2024年9月11日 15時0分

ブロックチェーン技術を基盤とした分散型インターネットを表す“Web3”という概念が浸透している近年。これに伴い、ブロックチェーン技術を活用してデータを安全に保存するWeb3クラウドストレージ、通称「分散型ストレージ」の需要が高まっている。

特定の管理者がデータを集中的に保管する一般的なクラウドストレージとは異なり、分散型ストレージは複数のコンピュータやネットワークにデータを保存するため、ネットワークの混雑緩和やハッキングリスクの低減などといった利点がある。

しかし、ストレージ利用の支払いにデジタルウォレットが必要になったり、月額・年額の料金を支払い続けなければならなかったりと弊害も多い。

そんななか、BitcoinやEthereumなどのブロックチェーン上に重要なファイルを保存できる米国発の分散型ファイルストレージ「Stakes on a Chain(以下、SonaC)」が登場した。同サービスはデジタルウォレットが不要で、1回の支払いで永久的にストレージを利用できることが特長だ。

ファイルの暗号化、アップロード、共有を簡単に実行

SonaCは直感的なユーザーインターフェースでファイルの暗号化、アップロード、共有を簡単に実行できる分散型ファイルストレージ。

例えば、個人的な画像、動画、音声、文書などのファイルを暗号化してブロックチェーン上に保存したり、科学論文、特許、商標、ニュース、歴史的文書・画像、NFT資産、アートなどを暗号化せずに公開したりすることが可能だ。

通常のクレジットカードやデビットカードでの支払いに対応しているため、デジタルウォレットやトークンは不要。アカウントの作成やパスワード設定なしで、いつでもファイルにアクセスできる。

SonaCがデジタルウォレットを必要としない理由

SonaCがデジタルウォレットを必要としない理由の1つは、「ブロックチェーン愛好家や特定の場所の人々だけでなく、すべての人に提供したい」という考えがあるからだ。

米国のニューヨークを含む一部の州では、居住者がデジタルウォレットでの購入に必要なコインを米ドルに交換することを禁止している。つまり、デジタルウォレットが必要な場合、米国の大部分でSonaCのサービスを利用できない可能性がある。

そこでSonaCは、デジタルウォレットでの支払いを必要としないことで、ブロックチェーン初心者でも簡単に利用できる仕組みを構築。支払いは1回のみ、その後の継続的な支払いは不要という。

二重のセキュリティ・システムでデータを安全に保護

SonaCは強力な暗号化方式である「AES」と“ポスト量子暗号”と呼ばれる公開鍵暗号方式「Kyber」を組み合わせた暗号化プロセスを採用し、ブロックチェーン上のファイルを保護している。ユーザーはアップロード前にワンクリックでファイルを暗号化できる。

セキュアなファイル共有が必要な場合、SonaCではキーペア(公開鍵暗号方式で用いられる2つの鍵)生成にKyberを使用することで、暗号化キーを耐量子チャネルで送信することが可能。これにより二重のセキュリティ・システムを構築し、信頼性の高いデータ保護を即座に提供するとともに、量子コンピューターが直面する新たなリスクへの対策を講じる。

SonaCの暗号化技術は、知的財産の保護、重要文書など不変的な記録の作成、規制コンプライアンスへの対応など、さまざまな用途で活用が期待される。

参考・引用元:
Stakes on a Chain
EIN Presswire

(文・Haruka Isobe)

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